ガヤガヤといつもより賑やかな廊下を抜けて、新しい教室に向かう。
窓から見える桜並木は正に今日と言う日に相応しい。
1年間お世話になる教室に入ると見知った顔が沢山いた。
「…よォ、また同じクラスか」
『うん。1年間、よろしくね』
入り口に居た土方と言葉を交わす。
「…あぁ」
土方は口に手を当てて顔を真っ赤にしながら、その場を離れた。
(…チクショウ。可愛すぎる!
つーか、また同じクラスか!
今年最大級の幸運だな)
―――――
「まーた、土方のヤローと話してたんですかィ?
耳が腐るから止めなせェ」
突然、後ろからやって来た沖田は耳元で囁いた。
『きゃ…!お、沖田くん…おはよう。同じクラスなんだね』
「そうみたいでさァ。
っていうか、リボン曲がってるぜィ。直してやりまさァ」
リボンに手を掛けようとした途端、目標物は沖田の視界から消えた。
「何、然り気無くセクハラしようとしてんだよ…」
『た、高杉くん!』
腰を抱かれ、高杉の腕の中で収まってしまっている。
「あんたのはセクハラじゃねぇのかよ」
沖田は「…チッ」と舌打ちをすると土方の方へ歩いて行った。
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