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4 *R15
勘違い平凡男主くんが角名くんに懲らしめられる話。
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休み時間、自席に座る俺は遊びに来た部活仲間に取り囲まれていた。ゲームや流行りの話で盛り上がる中、SNSの話題になる。

「なあ、みょうじ裏垢って知っとるか?」
「裏垢ぁ?普通に知ってる。何で?」
「それがなぁ、今日、教室でプチ修羅場になってん」
「え、こっわ」
「なんや女子の間で裏垢で愚痴言う奴がおったとか、おらんとかで。空気凍っとったわ。まじで女子こっわ!!て思ったもん」
「やばいなそれ」
「あ、裏垢の話なら、前に俺の組もあったで!裏垢で彼氏が浮気しとった、とか」
「うわぁ、どこで見られてんのか分かんねぇなーっ!怖ぁっ!」

他人の不幸は蜜の味。
修羅場話も、部外者の俺達からすると格好のネタだ。

「みょうじ、まさか、裏垢作っとらんやろな?!」
「作ってない作ってない!俺たちで繋がってるアカウントだけ!」
「そうよなぁ、俺、裏垢とかでみょうじに裏切られたら泣くで?」
「俺がそんなことするように見えるか?!」
「…見えんな、みょうじに裏垢運用は無理やろ」
「何で?!」
「何かヘマしそうやもん」
「せんわ!」

「裏垢作って浮気したらあかんで、みょうじには角名がおるやん」

その言葉にギクリとして顔が引きつった。
話に挙げられた当の本人は俺の前の席で机の上に伏せて寝ている。

この目の前のクラスメイトが勝手に垂れ流した情報のせいで、困ったことに俺と角名が付き合っている、という話が周知の事実になってしまっているのだ。

「いや、それは角名が勝手に言っただけだからな?誤解なんだよ」
「照れんなて」
「みょうじにも春が来てよかったなぁ」

頷く友達に必死で手を振る。

「ちょ、違うんですけど!?これには深い理由があってな?ねぇ聞いてくれる?」

「あ、授業始まるわ、帰ろー」「ほななー」

「あっ!ちょっ!お前らっ」


俺の言い分なんて聞かずに教室を出ていく友達の背中を見送りながらため息を吐いた。

全く…角名のせいで勘違いされてしまっ「誤解って何?」

角名がむくりと起き上がり後ろを向いてきた。

「お、起きてたのかっ?!」

「俺たち付き合ってるよね?なまえもこの間、俺のこと好きだよね?って聞いたら、うんって答えたじゃん」

「ちが、アレは無理やり流されて…っ!」
「録音してるよ。証拠あるけど、聞く?」
「はぁっっ?!おまっ、ろ、録音…っ?!」

「再生しようか?声以外に色々音入ってるけど…まぁいいか、なまえの喘ぎ声くらい漏れても「ちょっと口閉じてくれますかぁっっ!?」」

周りに聞こえないように必死で角名の暴走を止める。

「聞く?エロいよ」

そう言ってニヤニヤ笑いながらイヤホンの片側を渡そうとしてくる角名に戦慄した。
俺は教室の真ん中で何を聞かされようとしているんだ…っ!

「誰が聞くかっ」

ふうん、俺は何百回と聞いてるけどね、とサラッと言うものだからこれまた鳥肌が立ちそうになる。いや、すでに鳥肌は立っていた。

「で、なまえ裏垢持ってんの?」
「は…?」
「さっき裏垢の話してたじゃん」

こ、こいつ…っ!全然寝てないし!会話の内容、全部聞いてたのかよ!

「も、持ってるわけないだろ」
「浮気したら俺、何しちゃうか分かんないから」
「……」

怖いよおぉ…脅しですか?脅しですよね?
目が笑ってなくて怖いんですけどぉぉっ!

「しないよね?」
「……そ、そもそも付き合ってるって角名が勝手に言ってるだけ「しないよね?」」

黙って見せてきた携帯の画面が恐ろしいことになっている。『なまえと初めて繋がった日』というタイトル名と再生ボタンが見えた。

「それは完全に脅しぃっ!」
「浮気、しないよね?」

再生ボタンをタップしようと指を近づける角名に、俺ができることはただ一つ…。

「シ、シマセン…」
「だよね」

不本意ながら従うしかない俺の返答に満足したのか、角名はふっ、と笑い前に向き直った。

くっそぉぉ…今のは誘導尋問だろっ!

角名に丸め込まれた俺は悔しさに打ちひしがれながら、携帯を取りだした。

SNSを開いて部活仲間と繋がっているアカウントではなく、違うアカウントでログインした。

ふん、裏垢持ってないって言ったけど持ってるんだからなっ!

何を隠そう、実は裏垢もしっかり持っている。
表向きの本垢では友達と繋がって健全な呟きをしているが、やっぱり友達の前では言えない本音を吐き出したい時もたまにはあるじゃん?

みょうじなまえと特定されていない匿名の誰かとして呟くのは、気が楽なのだ。だから、ひっそりと裏垢でネットだけの交流を楽しんでいる。

自分の裏垢プロフィールを開き眺めた。
フォロー数3桁、フォロワー数2桁のアカウントは自分の本垢よりも賑わっているかもしれない。

みょうじなまえであることを知らない人達と交流するのは楽しい。

あ、新作の漫画更新されてるー。

日々追いかけている連載WEB漫画にハートをつけ、漫画の画像を見る。

へぇ〜今回こんな展開に「その漫画面白い?」

んぁっ?!?!

バッと顔を上げると、前を向いていたはずの角名が後ろを振り向き俺を見下ろしていた。慌ててSNSの画面を閉じる。

う、裏垢なのはバレてないよな…?
大丈夫、今アカウントのアイコンとかそんなのは出てなかったはず…

「お、面白いよー?」
「へぇ、何て漫画?」

バレていないかドキドキしながら平静を装い答える。

「えっと、転生したら○○っていう漫画…」
「ふうん」

角名は自分から聞いてきたくせに興味無さそうに前に向きなおった。

あぁ、危なかったあぁぁっ…

俺の心のオアシス、裏垢だけは絶対にバレるわけにはいかない。用心しないとな、と自分に言い聞かせ次の授業の準備をした。


▽

その日の夜、一通のDMが裏垢宛に届いた。

〘ずっと前から面白い呟きで気になってましたぁっ!友達になってくれませんかっ?〙

アイコンは女子と分かる黒髪ロングの後ろ姿。
プロフィールには高2と書いてある。

「んんんっ?!女子からっ?!」

女子。しかも俺のことを面白いと言っている。それだけでテンションは爆上がり。

しかし、ここで調子に乗ると女子は去っていくということは経験済みだ!

〘ありがとう、タメです〙

それとなく、クールな感じで返してみた。

〘えっ!そうなの?!わぁー嬉しい!部活とかしてる?〙
〘運動部。○○してます〙
〘かっこいい!タメだし敬語なしでいいよぉ!〙

か、かっこいい、だと…?!
女子にかっこいいなんて言われたことないぞ?!

一気に高揚感が増し、携帯を持ったままベッドにダイブした。この女子はどこに住んでるんだろう、どんな子なんだろうと興味が湧く。

〘たまに呟いてる内容が本当に面白くて歳近いかなぁって気になってたの〙
〘そんなに面白いこと言ってたかな〙
〘えっ面白いよぉ!ちょっとアホっぽい感じ!〙

「え、アホッ?!」

単体で聞くとそれは悪い意味に聞こえるがきっとこれも褒め言葉だろう。そうだろう。
何より女子とこうやって個別に会話すること自体、普段ないのだから俺の心臓はさっきからドキドキとうるさい。

落ち着こうと胸を撫でているとまたDMが飛んできた。

〘いきなり聞いてごめんけど、今好きな人とかいる?〙

?!ちょ、ちょっと待てよ?!これって…まさかの…、俺のこと好きな感じ?!

まだどんな子か知らないけど、可能性を広げておくことに越したことはない。無難に〘いないよ〙と答えてみる。

〘えーじゃあ付き合ってる人もいないの?〙

付き合ってる人…。角名の顔が浮かんだが、果たして俺達は付き合っていると言えるのだろうか…??
向こうは強豪バレー部で練習も忙しいし、たまにしか遊べない。そもそもそういう付き合っているという恋人同士のスキンシップがあるかというと…。

帰り道もストーカーみたいに後ろつけられてたりするし、普通に帰るだけなら隣歩けばいいじゃんって言っても「後ろからなまえをつけるの好きなんだよね。ちょっとずつ近づいていきたい。最後は後ろに立って見下ろしたい」なんてニヤニヤ笑いながら物騒なこと言うし、特殊性癖を持ってるに違いないアイツと恋人同士なんて…。

頭を振って付き合っているのは角名が勝手に言っているだけだ!と決めつける。
俺はこのJKからアプローチされているんだぞ?!据え膳食わぬは男の恥だ!!

〘付き合ってる人もいないよ〙

返信すると、少し間が空きピコンと返ってきた。

〘え、いないの?!かっこいい雰囲気あるし絶対いると思ってたぁ!〙

2回目のかっこいい…!
うおぉぉ、身体中が漲ってくる!

今ならランニング10kmくらい行けそうだ、とベッドの上でジタバタする。
その後もJKと会話を続け、幸せな夜を過ごした。


▽

翌朝の登校後、教室に入り自分の席にカバンを置いた。前の席にはすでに角名が座っている。
朝練をしてお腹が空いたのか惣菜パンを食べていた。

見かけによらず腹が減ったら割と食べるところがある角名は、がっつくわけでもなく静かに食べるから分かりにくいだけでその高身長を支える筋肉を維持するためにしっかりと栄養は摂取しているみたいだ。

すました顔で物静かなのに無表情で「お腹空いた…」と呟く時もあるし、そこは可愛い奴だなと思っ「いやいや、それはないわ!」

自分の心の声にツッコミを入れると角名が俺を見てきた。俺をじっと見ながらもぐもぐと咀嚼している。

「なんだよ」
「今なまえをオカズにして食ってる」
「言い方!!何か言い方が変なんですけど!」
「なまえ見てたら、ご飯何杯でもいけると思う」
「はぁっ?!」

人をそういう目で見ないでくれ!

ドン引きしながら席につき、携帯を取り出した。SNSのDMにメッセージが来ていないかな、と確認する。
昨日知り合ったJKとの会話が待ち遠しいのだ。

「何か良い事あった?」
「え?いや、特に…」
「ふうん」

角名に聞かれて何もない、と誤魔化す。
携帯をいじる角名を横目に俺もSNSのタイムラインを遡っているとDMメッセージの通知が来た。

「っ、」

即座に開くと〘今日も学校ダルいけど、頑張ろう〜♡〙と送られてきたメッセージに思わず顔がニヤける。

「何ニヤけてんの」
「っ、何でもないっ」

後ろを向いてきた角名に携帯の画面を伏せた。

「ねえ…浮気してないよね?」
「し、してません」
「ほんと?」
「ほんと」
「ふうん…」

全身を舐めるような目に居心地の悪さを感じる。
JKとの会話はただ会話してるだけであって浮気ではないよな?

「念の為に聞いてみるけど…浮気ってどこからが浮気なんでしょうか…」
「は?」

え、やだぁ怖い。
お前、それマジで聞いてる?という目が怖いです角名さん。

「いや、ちゃんとお互いの認識を合わせないと、だな」
「まぁとりあえず俺以外を視界に入れたら浮気かな」
「え??え??」
「ってことはもう監禁するっていう手段しかなくなるね」
「え??ぶっ飛んでね?」

面白そうにニタリと笑う角名に、真面目に話していてもダメだなと思い気にしないことにした。

角名はいつだってぶっ飛んだ発言するし、『今日のパンツ、何色?』と聞き始めてきた時から、深く考えても仕方ないと諦めの境地にいる。
だってこんな奴なんだもの!

ネッ友と会話するだけで別に会うわけじゃないしな…。相手は同学年女子とはいえ、友達だからセーフだろ!

角名の言葉は頭の片隅に追いやり〘頑張ろー〙と返信しておいた。



▽▽▽


ネッ友JKと毎日DMをするようになって早1週間。

「どしたんやみょうじ、えらい機嫌ええなぁ」

部活中、友達から声をかけられ不敵に笑って見せた。

「えー、そう見える?」
「ルンルンすぎてさっき転けそうになっとったやろ?」
「っ、そこはスルーしとけよ!」
「見た見た、あれ笑うたわぁ」
「もうっ、人をからかうなっ」

友達のイジリに頬を膨らませるが、内心そんなイジリも許せるくらいに俺のテンションはMAXだった。

なぜならば、あのネッ友JKが同じエリアに住んでいるということが分かったからだ。
昨日のDMで話していた時のこと。

〘どこに住んでるの?俺は兵庫〙
〘え?!同じ!!私も〜っ!〙
〘えっ、マジで!?〙

どこに住んでいるか聞くと同じ県内、さらには同じ地域という奇跡の出会いに口を開けて驚いた。
そこからトントン拍子で会って話そうということになったのだ。部活が休みに会う約束をした、それが明日だ。
バレー部も練習オフ日らしく角名から声をかけられたが用事があるから、と断った。

だって女子と放課後に2人きりで遊ぶなんて、こんなチャンス二度とないかもしれないし!!

そんな楽しみを控えている俺は友達にどれだけいじられようとも仏のような微笑みで受け止めていた。

そんな俺を見て「みょうじ、幸せな頭しとんな…」と言われたが「今の俺は仏だから何でも言っていいぜ」と頷いておいた。


夜、〘会えるの楽しみだね〙と言われ頷いて微笑む。

〘ねぇねぇ待ち合わせの時、どんな感じか分かんないから写真送ってよ〜運動部なんだよね?筋肉とかすごそうっ〙

「写真?!友達とふざけてる写真しかないしな…」

〘写真はないなー〙
〘えー、見たいなぁ。上半身裸の写真見たいなぁ〙

「ぶっ!」

オッサンみたいな発言に思わず噴き出した。
前から『服着たまま、ボタン外した写真欲しい。胸板チラ見えが欲しいなぁ。乳首も見えたらなおヨシ♡』とか言ってきたこともあったし、結構グイグイくるタイプのようなのだ。

肉食女子なのか…っ?!

これ性別が反対ならちょっと危ない発言だろっ、と思いながら〘恥ずかしい(/-\*)〙と送っておく。

〘えー、残念、でも明日会えるからいいや♪〙
〘身長はどれくらい?〙
〘155cm!〙

うわ、小さい可愛いっ!

〘小さいんだね〙
〘身長低い人の方がいい?高い人は嫌だ?〙
〘うーん、気にしたことはないかな〙
〘もし私が180cmあったらどう?〙

155cmからの振り幅すげえな、おい!
まぁ俺よりも高いのは悔しいけど、別に気にするほどでもない。

〘何cmでも気にしないよ!〙
〘もー、そういう優しいところヤバい♡〙

おいおい、俺結構好かれてないか?いつもハートマーク多用だし、これは…明日ワンチャンあるかも…?!

堪えきれない興奮を感じながら、枕に顔を埋め来(きた)る明日を楽しみに眠りについた。


▽

楽しみすぎてよく眠れなかった翌朝。
教室でどんな子が待ち合わせ場所に来るか想像してはニヤけそうになっている。

一瞬で放課後になれと祈る。
前の席に座る角名が振り向いてきた。

「ねぇ今日、俺オフなのに用事入れるとか、わざと?」
「わざとではない。今日はどうしても外せない大事な用なんだよ」
「ふーん…大事な用って何」
「…人と会う約束してるんだよ」
「誰?」
「…角名の知らない人」

「俺の知らない人?なまえの交流関係、全部把握してるつもりなんだけど、誰?」
「?!こわっ!どこまで把握してるか分からんが、角名は絶対知らない。これは断言できる」

おかしいなぁなまえのSNSもチェックしてるし、全部見てるんだけど…と真顔で首を傾げる角名に背筋が寒くなった。

角名の見てるSNSは俺の本垢であって裏垢ではないから絶対に知り得るはずはないのだ。

「最近はSNSで会おうって言ってくる出会い厨も多いらしいよ」

ギクリ。

「待ち合わせして悪い人に連れ去られたりするらしいし、ネットとかで知らない人と会うのダメだから。なまえは頭も股も緩いから気をつけないと」
「弱くねぇわっ。てか何か一言余計だったぞ!?」
「本当のことじゃん。キモチイイことには簡単に流されるよね?」
「ぐっ…」

ニヤリと笑う角名に言い返せない自分がいて拳を握った。実際に角名に流され大変な目にあった俺に否定できるほどの根拠がない。

「俺はそういうのには引っかかりません!」

ネッ友JKの発言は少々過激だが、同い年で可愛らしい女子なのだ。
そんな子が悪い人なはずがない!

角名の注意を適当に返しながら、早く放課後になれと教室の壁にかかる時計を見つめた。


▽


「また明日〜」「今日カラオケ寄って帰ろ〜っ」「ばいばーい」「部活ふぁいとー」

挨拶が飛び交う教室で、やっと待ちに待った放課後を迎えた。

すぐにカバンを持ち教室を飛び出す。約束の時間まで、余裕があるが早く行きたい気持ちが体を動かした。

待ち合わせの○○駅に向かうバスに乗り込み、ガラス窓に反射する自分を見て服装や髪型を少し整える。

はぁぁ、緊張するなぁ。今になって俺を見て向こうにガッカリされたらどうしよう、なんて不安な気持ちにもなってくる。

かっこいいって言ってたし、あんまり期待されるのも…、いやでも彼女は俺の呟きを見て面白いって思ってくれたわけで内面で好きになってくれたんだろうし…。

約束の時間まで適当にぶらつき、近くなってきた頃に駅から少し離れた場所のベンチに腰掛けた。
座っている場所をメッセージで送り、後は待つだけとなる。

行き交う人達の中で制服を着た小さめの女子を見ると、あの子かなとそわそわするも皆、俺をスルーしていく。

身長155cmの女子…身長155cmの女子…。

〘そろそろ着くかなぁ〙

「っ!!」

〘見つけたら横に座るね♪〙

うおぉぉっ、俺の隣に座る人はどんな子なのか!

期待に胸を膨らませながら携帯を握りしめた。と同時に隣に人が座った。

つ、ついに!!

勢いよく顔を上げ、隣を見た。
視界に入ってきた人物に俺は口を開けた。

「……え…」

俺の隣に座る人は155cmの女子のはず。
それなのになぜか俺の目には180cm超えの男子が座っている。

「やっほー」

無気力なトーンでニヤリと笑うのは教室で別れたはずの角名だった。

「何でここに…?え、ごめん、俺、今日本当に人と会うから角名とは遊べな「これ」」

俺の言葉を遮るように見せてきた携帯の画面。そこには俺がネッ友JKと話していた会話の内容が写っていた。

「……?!はぁ?!何これ」
「これ、俺」
「……はぁぁぁ?!なっ、えっ?!」

困惑する俺に角名は淡々と話し始める。

「裏垢持ってないって言ってたのに嘘つくしさ、からかってやろってDM送ったら付き合ってる人いないとか言うし、これ浮気だよね?」

「えっ?!こ、これ角名っ?!」
「うん」
「このアイコンとかっ、詐欺だ!」
「こんなのフリー素材でいくらでもあるし」
「っ、何で俺って分かったんだよっ」
「この間好きな漫画聞いた時にアカウント調べてその呟きをいいねしたアカウント調べた」

あっ、とWeb漫画のことを聞かれて答えたことを思い出す。あの時、ちょうど裏垢でいいねボタンを押していた。

マジかよ…っ!

女子とやり取りしていたと思っていたのに実は男子でした、まさかの角名でしたと分かった瞬間の絶望感に俺は目を見開いた。

「さ、最悪だ…。これはあんまりだろっ!俺のワクワク!!返せ!」

「ワクワク?は??」

怖いっ!目が怖いっ!!
お前何言ってんのっていう目が怖いぃぃっ!

だが俺も負けてられない、角名は俺を騙したわけだ!許される行為じゃないはず!

「騙すなんて最低だぞ!人間不信になる!」
「人に嘘ついたのはなまえだよね?」
「うぐっ」
「付き合ってないってのも嘘ついたよね?」
「そ、れは…っ」
「浮気されて俺傷ついたんだけど」
「う、浮気というかそういうつもりで会おうとしたわけじゃねえし!」
「ふうん、俺との遊び断ってまで会おうとするのが浮気じゃないんだ。人間不信になるのはこっちなんだけどさ」
「う、うう……っ」

言い返せず唇を噛み締める俺に角名は追い打ちをかけるように言葉を続ける。

「それに俺、悪い人に連れ去られるから知らない人と会ったらダメって言ったよね」
「……」
「現に信じてた女子じゃなくて俺が来たのも分かんなかったよね?これがオッサンとか悪い人だったらどうすんの?」

「……オッサンじゃなかったしいいじゃん。角名だったのは良くないけど」

俺の一言に角名の目がじろりと見てきて思わず目を逸らした。

「危機感ないよね、連れ去られる可能性があるのに。なまえにはお仕置が必要だ」

はぁ?!お仕置ってなんだよ!!

「これは結果的にセーフだろ!」
「いや、今から俺に連れていかれるから。アウト」
「え、いや、ちょっ」

グイッと腕を引っ張られベンチから強制的に引き上げられた。
そのままズルズルと向かう方向には駅のトイレ。

「俺が悪い人だったら、なまえ今頃突っ込まれてるよ」
「なっ……」
「まぁ今からそうなるんだけど」
「はぁっ?!」

ちょっと、待って俺の話を聞いてくれっ!と抵抗するも「嘘つきにはお仕置がいるよね」と俺の言い分を聞く間もなく連れ込まれ、そのまま
アッーー!!



▽▽▽


「ぅうっ、ぅうっ、し、尻がぁっ」

「最後気持ちよさそうだったし、お仕置じゃなくなったのがちょっと不満だけど、可愛いところ撮れたしまぁいっか」

「ぅうっ、何でだよ…っ身長155cmの女子と楽しくお喋りしようと思って来ただけなのにぃっ…」

俺はこんな高身長男子求めてないっ
そんな泣き言を言うと角名が俺のベルトをガシリと掴んできた。

「何?まだ足りない?」
「ぅうううっ、足りてますぅぅっ」
「俺達付き合ってるし恋人同士。ね、分かった?」
「わ、分からな「分かった?」」

ぎゃああああっ!角名の手が尻に!
撫でるなぁっ!

ゾワゾワして思わず頷いてしまう。

「分からなかったら次はもっとやるから」

ふふ、と笑いながら携帯を見せる角名にどう足掻いても角名の手からは逃げきれないと悟り弱々しく泣いた。

そんな俺を見て嬉しそうに笑う角名くんは「今日のパンツ、黒色だったから白が映えたね」と言っていたのでゾッとしました、おわり。
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