「えっと……。服を数着と、傷薬。睡蓮(スイレン)のボール……」



メモを見ながら、バッグに荷物を詰め込んでいく。

時折ガタンゴトンという列車の音が響き渡る長閑な町、ブラッシータウン。この町の片隅にある借家で、私はインテレオンの睡蓮と共に住んでいる。

……否、これからは“住んでいた”になるのか。

荷物を纏めながら、私は昨日のことを思い返した。