修行×賞金×天空闘技場
◆◇◆◇◆◇◆◇
クラピカやレオリオが乗った飛行船は飛び立っていき、あっという間に3人になった。俺も寂しいが、それはみんな同じだと思う。それに9月1日には会えるから我慢できる。
「ねぇ、どうする?」
2人を見送ったらゴンは、これからの行動をどうするか聞く。
「どうするって特訓に決まってんだろ?」
「え?なんの?遊ばないの?」
「おいゴン、今のままじゃヒソカを殴れないぞ。戦闘スキルで言えば奴は俺より高いのによ」
「う、うぅ」
全く、半年でも時間が足りるか分からないのによ。どうせなら俺たちはパドキアに残ってシルバに修行させて貰ってたほうが良かったんじゃねーか?
「分かりやすく言うと」
キルアは近くに落ちていた棒を手にすると地面に何かを描いていく。そのにはヒソカとハンゾーの似顔絵が簡易に書いてあった。
「これがヒソカ、これがハンゾーな」
「うんうん」
「ヒソカとハンゾーの力の差をこのくらいとすると」
キルアは2人の似顔絵の間に10センチ程の線を引いて力の差として例えた。俺的にはもう少し差は開いてそうなんだがな。
「で、お前との差は……」
ハンゾーからの伸びる線を延長して、キルアは10メートル位離れていく。
「ここ、かなりオマケでなー!」
「ちょっとムカつく……。じゃあ!キルアは何処なのさぁ!!」
カチンときたゴンはキルアに言い返す。するとキルアは謙虚と言わんばかりの表情でハンゾーのちょい後ろを示した。
「へぇハンゾーの方が強いの〜?ふぅ〜ん。それじゃあロウはどこら辺なの?」
「あぁ、こいつはここだろ」
ヒソカとハンゾーの間に棒を当てて示す。まぁ、妥当な見解だな。ただ、ハンゾーとの距離を伸ばして欲しいものだ。
「ゴンだって強くなったぞ?キルアを迎いに行くまで俺が稽古付けたから闘い方は多少なりとも身につけてるよ」
「お前、俺の親父から修行させて貰いつつ、ゴンには逆に修行教えてたのかよ」
「結構しんどかったけど俺のスキルアップには繋がった」
えへんと言う表情で俺は言う。まじめに疲れたけどね。まぁ、妖怪体質なだけあって回復も早かったけど、回復力を酷使し過ぎて少し疲れた。
特に喋ることが無くなり、3人でキルアの書いた絵を何となく眺める。
「まぁ、こんなの適当だけどな」
「えぇ、そうなの?」
「そうだよ、俺とハンゾーの間にはもっと差があるに決まってんだろ。試験の時も全力の三割くらいしか出さなかったし」
仕込み刀を折った時だけあって四割程度の力を出したかもしれないけども。
「確かにお前ハンゾーと闘ってる時、ずっと余裕そうな表情してたもんなー。強い奴ほど力を隠すのも上手いって言うしな」
「俺もロウが闘うところ見たかったなぁ〜」
「んじゃ、良いところがあるぜ」
ちょっと待った。キルアのその言葉の今は俺も闘わないといけない場所なのか?
「お前ら金もないだろ?」
「俺は一文無しだな」
「俺もあんまり……」
俺たちがそう言うとキルアはニヤリと笑って俺たちにとって良い場所を言う。
「天空闘技場さ。闘って勝てばファイトマネーも貰えるし強くもなれる。一石二鳥さ」
「おぉ、金を貰えるのか」
そうと決まれば、天空闘技場行きの小さな飛行船を手配して向かう。俺はハンター証を使って手配したがゴンはヒソカを殴るまで使いたくないとのこと。
しばらく乗っていれば、物凄く高い塔が見え始める。天空闘技場という名前に恥じないな。本当に天空かもしれない高さだ。
「うわぁ〜!」
「地上251階、高さ991メートル。世界で4番目に高い建造物だってさ。勝つと賞金が貰えて上の階に登れるんだ」
上に行けば行くほどファイトマネーも高くなって仕組みらしい。まぁ、俺は変装必須だな。ジェイドに見つかったら危険すぎる。
天空闘技場に入れば既に行列が出来ていた。登録するのにもかなり時間がかかりそうだな。
「うわぁ〜みんな強そう」
「ゴン方が強いぞ間違いなく」
俺の稽古受けといて周りの方が強いと思って結構ショックなんだけども。
「おっす!!」
いかつい男達が集まった、この天空闘技場では違和感を感じる幼い少年の声が聞こえてきた。気配を察知してみれば強いな。
「なんだガキじゃん」
(あの二人……もう一人の眼鏡は師匠と言うところか?恐らく二人とも念を使える)
俺はジッと二人を見つめていると眼鏡の方の人と思わず目が合ってしまった。やばい、人の視線にも気づけるって事は本当に出来るな。
「あ、そうだ。格闘経験は10年って書いとけ。早く上の階に上がれるからさ」
思い出した様に言うキルアはさらっと、とんでも無いことを言う。ちょっと待て、俺の格闘経験は2ヶ月程度なんだが。
「2ヶ月の俺もそう書いていいのか?」
「バレなきゃ良いんだよ」
そ、そういうもんなのか。そう言うズルいことは蔵馬から習わなかったから、ちょっとドキドキするなぁ。
手続きが終わると俺たちは会場に向かう。さっそく試合があるから呼ばれるまで客席で待ってる事にした。
「なっつかしいなー!ちっとも変わってねぇや」
「あれ、キルアは前に来たことあんのか?」
「あぁ、6歳の頃かな」
こんな所に6歳からいたのか。まさかシルバが放り込んだんじゃねーよな……。いや、こんな所に送り込むなんて、どう考えてもシルバの考えだな。
「俺は200階まで行くのに2年かかったな」
「えっ、2年!?」
キルアの言葉にゴンは驚く。まぁ、6歳で2年だし、ゴンならもう少し早く辿り着くだろ。なんならまだ俺と稽古続けたら、かなり早く200階まで行けるかもしれないしさ。
「何驚いてんだよ。ヒソカクラスの奴と闘うなら、もっと上の階まで行かないとダメだぜ?」
「う、うん……」
時間がきて2055番のゴンと2056番の俺の番号が呼ばれた。颯爽にフィールドに俺は向かった。俺の対戦相手は誰だろうな。
「お前が俺の対戦相手か。なんだか弱そうな見た目してんな。お前死ぬかもな?」
「……その言葉、そのまま返すぜ?」
「舐めてんのオラ!?」
レフェリーがルールを軽く説明すると試合開始の合図をする。合図した瞬間に相手は俺に向かっていくが弱い者に手荒な真似はしなくないな。
「おいおい何とか言ってみたら……っ!?」
妖気を飛ばしてみれば相手の顔は青ざめていく。怪我させるよりはマシだと思ってくれ。
「……お、俺の負けだ。こ、こんな奴と闘うなんて俺は嫌だぁ!!」
怖気付いたのか相手の男は錯乱して逃げ出してしまった。逃げたと言っても俺の妖気の危険さを感じ取って闘うことを諦めた。力の差を感じ取れただけでも賞賛に値するぞ。
「……2056番。君は50階へ」
レフェリーがそう言った瞬間に、物凄い衝撃音が聞こえてきた。多分、ゴンだな。
案の定、ゴンの方をみれば相手と思われる男が壁にめり込んでいた。確かに試しの門を開けれりゃそうなるわな。
客席に戻ると俺とゴンはキルアにハイタッチする。俺は相手に触れないまま200階に行くことも可能かな?
「50階だってさ」
ゴンは貰ってたチケットをキルアに見せて言う。試合と回数をみたキルアは笑顔でゴンを迎える。
「俺も50階だ」
俺も回数を伝えれば、キルアは俺の方を見るや怪しげな視線を送ってきた。勝ち方が異様だったから……かな?妖気で脅すのは流石に不味かったな。一番手軽なんだがなぁ。
「で、何やったんだよ。相手の男凄い青ざめた面で逃げてったけどさ」
「少し脅してみただけ」
不十分な説明にキルアは納得いかなかったようだけど、このタイミングでキルアの番号も呼ばれた。
「あ、俺の番だ。じゃあ、ちょいと行ってくるぜ」
「うん、頑張ってねキルア」
キルアを見送ったゴンは後ろの客席を向く。知り合いでもいんのかな。
「おじさん達もキルアのこと応援してあげてねー!!」
「はい……せ、精一杯応援させていただきます……」
へへ、誰だか知らないけど声が凄い震えてる。多分、俺とゴンの試合が異様過ぎてキルアも同じに見えるんだろうな。実際そうだけど。
キルアの試合は流石と言いざるを得ない見事な手刀一発で終わった。率直に抱いた感想は動きの無駄が少ないと感じた。
「わ、わぁ〜……す、凄いぞ〜……キルア君……」
多分、あのおっさん俺達の3人をガチで引いてるな。俺たち3人とも勝ち方が違う上に、どれも驚異的な倒し方だ。
しばらくは、この調子で上の階に上がって行けば良いんだな?俺もいい加減に一文無しは卒業したい。戻る
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