信頼×信念×思念の相違
しばらく経つとベーチタクルホテルに他の3人の旅団員も合流してきた。その内の1人はシャルナークで目が合ってしまう。視線が冷たい。

「説明しろ」

フィンクスはそう言う。この場にいた旅団員は停電した間に団長が拐われたことを伝える。そして、クラピカからのメッセージについても伝えた。

「なぜすぐに追わなかったか?」

目つきが鋭い小柄な団員がノブナガに追わなかった理由を問いただす。

「マチとパクが傷んだ」

「で?」

「団長を攫った奴に他の仲間がいる可能性がある。戦闘能力で言えば、このガキ2人もそれ並みな上、この天狼まで仲間にいやがる」

「で?」

「メッセージの裏をよく読め!こいつらには人質の価値があるって証だ!下手に動いてこいつらに逃げられたらアウトなんだぞ」

「意味がわからないね。こいつら殺してなぜ追わなかったかを聞いてるね」

「こいつらは人質なんだぞ!!」

不味いな……。俺たちを殺して団長を拐った奴を追うと言う選択肢を推奨するやつもいるのか……。

「OK、反省会はあと!とにかく対策だ!ここからは8人で行動しよう。負傷したパク達の班をフォローしつつこれから団長を追う。もし、団長の乗った車を見つけたら……」

シャルナークが作戦を口にしている最中に眉なしジャージ野郎の携帯から着信音が鳴った。

「団長のケータイからだ。もしもし……」

恐らく電話の相手はクラピカだろう。クロロの携帯から掛けている。恐らく、取引内容を告げているに違いない。

「……2つ目の指示だが、人質の3人は俺たちが来る前にかなり暴れたようでな、3人とも何箇所か骨折してるぜ」

ジャージ野郎がそう言うと通話が終わった音が響いた。えっ……マジすか?

ここで殺される可能性がよぎったが、すぐにリダイヤルで掛け返してくれたのでほっと胸をなでおろした。

「すまん嘘だ。3人は無傷だ。許してくれ」

ジャージ野郎はパクノダに携帯を渡す。主導権はこちらが握られせもらった。とりあえずは、クラピカが何とかしてくれそうだな。



その後、旅団員内で指示通りパクノダを一人で行かせるか全員で行くかで揉めたが、途中クラピカから連絡が入りパクノダを一人で行かせることに決まった。

俺たちはアジトに連れてかれて、鎖でコンクリートブロックに縛られてしまった。とはいえ、俺たちなら念の込められてない只の鎖くらい力尽くで壊せるけどな。

それからしばらくしてパクノダがアジトに戻ってきた。交渉内容を告げると、最初に言葉を口にしたのはフィンクスだった。

「のめると思ってるのか、そんな条件。場所を言えパクノダ。ガキ3人を殺して鎖野郎を殺りに行く」

「…………どうしても?」

脅すように言うフィンクスにマチが目を鋭くして威嚇するように聞き返した。

「どうしてもだ。場所を言えパクノダ。言わないなら行かせるやけにはいかねぇ」

「絶対に場所は言わないし3人を連れて戻るのは私だけよ。邪魔しないで」

「ジャマ!?そりゃどっちの話だよコラ!あ!?」

やっぱり揉めるよなぁ。俺たちとしては、パクノダ達の考え方に倒れてくれた方が助かるんだけど……。

「行きなよパクノダ」

「ここはあたし達が止める」

コルトピ、マチと続いて言う。だが、その二人にフェイタンが噛み付いた。

「止める?舐めてるか?」

パクノダ、マチ、コルトピとフィンクス、フェイタンと完全に対立してしまった。もしも、争いになるなら俺たちはパクノダ達の味方になって共闘する他ないだろう。

「本気かよ理解できねぇぜ。お前ら頭どーかしちまったのか!?」

「恐らく、ワタシ達つく前に全員、敵にやられてるね。こいつら操作されてるよ。時間のムダね。ワタシが吐かせるよ」

このやり取りか行われる中、俺はゴンをちらちらと見てしまった。というのも、ゴンが怒っている。

「本当にわからないの?」

ついにゴンは口を開いた。全員の視線がゴンに集まる。下手なことを言えば危ないが、その時は俺が……庇う。

「パクノダがなぜお前達に何も話さずに戻ろうとしてるのか、マチがなぜお前達を止めようとしてるのか、本当に操られてるからって思ってんの?」

フィンクスとフェイタンは黙って聞いているが、放たれる眼光が厳しいものへとなっていく。だが、ゴンはそれには屈しなかった。

「お前達の団長を助けたいからに決まってるだろ!?仲間を取り戻したいって気持ちがそんなに理解できないことなのか!!」

「黙ってろ、ガキが。助かりたくて必死か?」

そのフィンクスの返しにゴンは自身を拘束していた鎖を力尽くで引きちぎった。それを見て俺とキルアも鎖を引きちぎった。

「取り消せ!!」

臆することなく立ち向かうゴンにフェイタンは今にもゴンを始末しようとオーラを高めるが、フィンクスがフェイタンに自分が相手すると合図した。

「やなこった。文句があるなら来いよ。一歩でも動いたら、その首へし折るぜ」

「ゴン動いちゃ「んじゃやだねー!誰が動くもんか!」……おう」

この対応にフィンクスは憤りを覚えるよりも呆れて黙ってしまった。気持ちは分かる。でも、とても素直な子だろう?

「俺の仲間はお前達と違う!たとえ相手が憎い仇だって感情に焼かれて容赦なしに殺したりはしない!もしもお前達と約束を交わしたのなら、それを一方的に破ることも絶対しない!」

「まあ、直接会ったパクノダなら分かってるだろう。条件通りにすれば団長は必ず戻ってくる。これがお互いにとってベストだろう?」

ゴンに続いて俺もフィンクスを説得する。彼を納得させない以上は話が進みそうにないからな。どう見ても強化系だから、納得させるのが非常に難しそうだけど。

「いい加減にしろよてめぇら。勝手なことゴチャゴチャふきやがって」

「フィンクス。もうやめろ、パクノダを行かせてやれ」

フランクリンもフィンクスを説得しに出た。だが、いきなりフランクリンもパクノダと同意見を持ったことにフィンクスは困惑した。

「オメーまで何言い出すんだよ!!」

「シャル、今オレたちにとって最悪のケースってのは何だ?」

「んー、団長は既に死んでて、ヒソカ、パクノダ、マチ、コルトピ、シズク、ノブナガが敵に操作されてる。敵の所在は結局知れず、この3人にもまんまと逃げられる、かな」

実に的確な回答だと思う。だけど、その回答をフランクリンは簡単に否定した。

「それが間違ってんだよ、お前らは。最悪なのは、俺たち全員がやられて旅団クモが死ぬことだ」

た、たしかに……その可能性も無くはない。

「それに比べりゃ、お前が言ったケースなんざ屁みてぇなもんだ。違うか?」

「そりゃ、そーだね」

「理由はどうあれ、オメーらどっちも団長にりすぎだぞ。その結果、致命的に俺たちが崩壊してみろ?それが団長に対する裏切りだろうが。このまま揉めてたらそうなりかねねぇぞ。頭冷やせ」

……これって旅団の弱点では?みんなが団長に依存しているため、フランクリンが言う通り頭さえ潰せば勝手に揉めて崩壊しそうだ。

その後もフランクリンはフィンクスを納得させるように団長が戻ってこなかったパターンの対応についても話した。

そして話が終わったタイミングでフィンクスが持っていたシャルナークの携帯にクラピカが電話を掛けて、パクノダと俺たち人質の3人を行かせることに決まった。
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