▽ 霧の中で 2/2
《狩人の森『たった一つの願いのよう』》
リンアイ「いやしかし、寒かったな…」
ケシェット「まだ身体が震えてるね。人間がやれる業じゃないな。…おや、今度は」
チェルシー「どうして…あたいは、お姫様。なのにどうして…こんな泥臭いこと、しなきゃいけないの…? あたいのこと、大事じゃなかったの…?」
フローラ「…どうしたのよ、ねえ。聞いてる?」
リーフ「チェルシーちゃん…泣かないで…可愛いお顔が台無しだよ…大丈夫…??」
ライナルト「…凄く無視されてる」
シエテ「これは困りましたね…何か打開策は…周りに何かありませんかね。宝とか」
リンアイ「リーフ。あんたのお宝センサー何か反応する?」
リーフ「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん………………………、……、……………………。
あっちの方から古い紙の匂いがする。なんだろ」
ケシェット「勝手に行動しない。ついて行く?」
ライナルト「おう、行こう」
《別の所》
木の根元に、古びた手紙が落ちていた。
リーフ「これだ!すごくボロボロだけど、読めるかなぁ」
フローラ「宛名は…『愛するチェルシーへ』。これ、届けるべきじゃない?」
シエテ「そうですね。封は開けない方がいいでしょう」
ライナルトたちは
古びた手紙を手に入れた
《チェルシーの元》
ライナルト「チェルシー!届けたいものが!」
チェルシー「……なによ、あたいは今、悲しいの。ほっといてくれる?」
シエテ「これ、貴方宛の手紙です」
チェルシー「あたいへの、手紙…?」
チェルシーは手紙の封を開け、読み始めた
ケシェット「何が書かれてるんだろう。ちょっと気になるな」
リンアイ「女の子の事情に首突っ込むな。黙って見てな」
ケシェット「まだ突っ込んでないよ」
フローラ「まだってアンタ。突っ込むつもりなの?」
シエテ「…………あ、もうダメ。全部卑猥に聞こえる」
ライナルト「霧の影響か?シエテ、帰るか?」
チェルシー「…………そう、だったんだ。それならはじめから…いや、あたい、小さかったから、分からなかったんだね。あたいはちゃんと愛されてた。……あんたたちを信じてよかった。これ、あげる」
赤銅の花びらをもらった!
チェルシー「途中で諦めたらダメなんだからね!頑張りなさいよ!」
リーフ「8枚。あと5枚だけど、どうする?シエテやばそうじゃん」
シエテ「あ、いえ、別にこれは霧とかの影響じゃないと思うので…僕の心が穢れてるだけで…」
ケシェット「落ち込むなよ。君もオトコだから仕方ない。元気出すんだ」
ライナルト「シエテ。戦術学科のライナルトによるメンタルケア大作戦、やってくか?」
シエテ「え…?」
ライナルト「ヤッ!!!!!!!!」ドッ
シエテ「ウッッッッッ」バタッ
ライナルトの 腹パンが シエテの みぞおちに クリティカルヒットした!
シエテは 倒れた!
リーフ「し、シエテーーーーー!!!!!」
ライナルト「こういうときは!一度寝るのがいいのだ!眠ってリフレッシュ!起きたらきっと気持ちも楽になってるはずだ!」
ケシェット「眠るというより気絶なんだけど、コレ。それでこの死体、どうするつもり?」
リーフ「死体って」
ライナルト「俺が背負っていきます」
ケシェット「そうか」
フローラ「何よこれ」
リンアイ「まあ、あたしたちはまだ帰らなくて大丈夫そうだな」
《狩人の森『壊れゆく希望』》
リーフ「シエテはいつ起きると思う?」
フローラ「さあね」
ライナルト「…あ、木に誰かがもたれてる…ケシュル先輩だ」
ケシェット「…(とんとん)、…(ゆさゆさ)、…反応なし。まるで抜け殻だ」
リンアイ「チェルシーパターンか。何かを探してくるそれ…ん?」
近くに紙が落ちている…
ライナルトたちはそれを拾って読んだ
『精霊の涙 夢のかけら』
フローラ「あら、わかりやすいのね」
リーフ「これ、とってきたらいいんだな?寮の倉庫とかにないかな?」
ケシェット「だとすれば結局一度帰ることになるね。まあ、それもいいか」
《カラヴィヤス学府 学生寮》
リンアイ「シエテはここに転がしとこ」つ ソファ
ライナルト「外に出ると空気が違うな…森で会った生徒たちは無事に帰って来てる。よかった」
フローラ「でも、他はまだ森なんだから、急がないとダメよ。精霊のかけらと夢の涙だったかしら」
ケシェット「混ざってるよ、焦らないで」
リーフ「何に使うんだろ。結構レベルの高いアイテムだった気がするんだけど」
リンアイ「錬金とか」
フローラ「肝心な本人起きてないわよ。私たちで錬金できる人誰もいないし」
ライナルト「今のケシュル先輩に必要なものだったりして」
リーフ「それはわかるけど、どう必要なの?」
ケシェット「気にする必要ないんじゃないかな。彼に届ければわかることなんだから」
リンアイ「起きてくれるといいんだけどな、こう、もそっと。…ん?もそっと?」
シエテ「……………おはようございます」
リーフ「シエテ!早いな!調子は?」
シエテ「ライナルトさん、一生許しません」
ライナルト「ごめん。勢い余っちゃった」
リンアイ「試験続けられそう?」
シエテ「まあ、ちょっとスッキリしましたよ。ところで何で戻って来てたんですか?」
ケシェット「ケシュルを見つけたときにこんな紙が落ちててね」ピラッ
シエテ「なるほど。それでアイテムを取りに戻ってたわけですね。ありましたか?」
フローラ「今見つけたわ。精霊のかけらと夢の涙」
リーフ「まだ混ざってるフローラちゃん、大丈夫?」
《精霊の涙、夢のかけらを手に入れて同じ所》
ライナルトたちはアイテムを持ってケシュルのいるところにやってきた。
ケシェット「さて、持ってきたはいいが…どうするのかな?」
フローラ「コイツが起きないことにはどうにも…あら」
ふわっ
フローラ「きゃっ!?勝手に浮き上がった!?」
シエテ「暫く宙をさまよって…ケシュル先輩に吸収されましたね」
ケシュル「………。…う、ん…」
ライナルト「! ケシュル先輩!」
ケシュル「…あ、うごいてる。め、みえる。ぼく、これで、もとどおり? ……だいじょうぶ、そう」
ケシュルは立ち上がった
リーフ「せんぱい!一体どうしてこうなってたんです?」
ケシュル「このカラダ、よわい。いちど、こわれてる。なにが、あったか、わからない。けど、こわれたまま、かわいそう。だからぼく、つかってる。
きみたち、きてくれなかったら、ぼく、このまま……とってきてくれた、おれい」
深緑の花びらをもらった!
ケシュル「おうえん、してる。がんばれ」
リンアイ「そっか、ノームはそういう生き物だったな」
ケシェット「壊れてた依代を再利用してるってことは、壊れやすいんだな。彼、あんまり長くないかもしれない」
シエテ「そんな中で錬金術を極めようとしているんですね。ぜひとも頑張ってほしいものです」
リーフ「長生きしてほしぃい〜先輩〜〜」
《狩人の森『孤独の楽園』》
ライナルト「そろそろ終盤に差し掛かってきたぞ」
フローラ「あと4枚ね。生徒は多分あと1人…先生は2人。残りの1枚が誰か、よね」
シエテ「アスファルは一人だったみたいですし、あの人が来ているとは言いませんでしたが、会えるといいですね」
ライナルト「うん…あ、あそこにいるのはパハッドか?」
パハッド「何故なのだ。いつも思うのだ。あれは一度っきりなのだ。一度っきりのために何年も閉じ込めて……一人ぼっちで…寂しかったのだ、苦しかったのだ。私が悪いのか…? 違う! 私は悪くないのだ!」
凄まじい魔力波が広がる!
リーフ「ぶわっ!!!髪の毛が!!!!」
ケシェット「な、これは、並大抵の魔術士じゃ出せないものだぞ!?」
パハッド「誰のせいで、誰のせいで…! わからなかったから、教えてくれたらよかったのだ! 許せない、許せないのだ…!! 今に見るのだ、私の力を!
出でよ!古の守護者!!」
パハッドが手を振りかざすと、前に魔法陣が現れ、
クモ型の巨大なモンスターが現れた!
リンアイ「戦う気だ!」
フローラ「召喚術も会得してるの!?さ、才能の塊だわ…」
ライナルト「パハッド!止まってくれ!」
▼ENEMY▼
古の守護者 Lv60×1
パハッド Lv55×1
<戦闘勝利>
パハッド「あうッ……! う……」
シエテ「…やりました、か?」
(´;ω;`)ブワッ
シエテ「!??!?」
パハッド「うわあぁぁあん!! ごめんなさい! ごめんなさいなのだ! そんなことをするつもりはなかった、のだ! 閉じ込めないで、見捨てないでぇ!!」
リーフ「あわわわわわわパハッドちゃん!泣かないでほしいのだ!オレたちはパハッドちゃんのこと閉じ込めたりしないのだ!」
ケシェット「落ち着いて、大丈夫だよ。ちょっとトラブったぐらいじゃ嫌いになったりしないよ」
リンアイ「昔のことが辛くて我慢できなかったんだな、あたしたちが来るまでよく頑張った」
ライナルト「友達だ!俺たちは友達だから!大丈夫だ!」
パハッド「……ひっく…、…これ、あげるから、許してほしいのだ」
若草の花びらをもらった!
パハッド「友達は大事にしなきゃ…ぐすっ、いけないのだ。みんな、頑張るのだ」
フローラ「根本的にはいい子なのよね。人間関係がちょっと不器用なだけで」
シエテ「女性が急に泣き出すのは心臓に悪いですね…ともあれ、彼女も助けられたようでよかったです」
リーフ「生徒はこれで全員だっけ?あと3枚!さあ頑張ろう!もうちょっとだ!」
リンアイ「何だかんだここまできたんだな」
《狩人の森『失われた眺め』》
ケシェット「…あれは、セリオン先生だ」
セリオン「おー来た来た。待ってたのね。全く、フユイ校長のコレは気分を悪くするわい……ゲッフン! それはそうとキミたち、コレでしょ?」
薄橙の花びらをもらった!
ライナルト「わ、あっさり」
フローラ「長いこと待たせたけど、何にも動じてないわね、この人」
セリオン「自分で言うのも何だけど、ワシは変にポジティブだから、昔のことなんか気にしちゃいないのよ。くよくよしてるヒマがあったら今を全力で生きなきゃね。さてさて、ワシはここで死ぬ前にトンズラするかね。頑張るのよ〜」
リーフ「見習うべき精神力」
シエテ「今を全力に、ですか。セリオン先生のような年齢でもそう言えるのは素晴らしいですね。これがポジティブ…」
リンアイ「残り2枚…」
《狩人の森『英雄たちの鎮魂歌』》
シエテ「狩人の森、最奥です。もしかしたらここにフィリサティ先生が?」
フローラ「もう1枚もここにあったりして」
リーフ「フィリサティ先生〜〜〜!!!!あ!発見!!」
フィリサティ「待っていたよ。このとおり、カラヴィヤスの試験は生徒たち、そして私たち教員が関わって成立しているものだよ」
ライナルト「そうだったんですね…皆、命を懸けて試験に関わってくれて…俺たちのために、ありがとうございます」
フィリサティ先生「その様子だと、君たちは生徒たちの花びらを回収し終えたようだね。生徒たちを助けてくれているから、私から言うことは……」
「フィリサティ」
ケシェット「ん…?この声、最近聞いたことあるぞ」
声がした方に振り向くと、優しい眼差しをした男が立っていた
フィリサティ「
リェーツ!!ど、どうして此処に…!?」
リーフ「リェーツさん!?!?!!!りぇ、リェーツさん!!????????!!!!」
リンアイ「まさかここで会えるとは…」
リェーツ「君にお礼を言いに来た。そこの生徒たちにもね。
君たち…改めて名乗るよ、僕はリェーツ。彼とは長い付き合いだったんだ。ずっと昔から、僕のことを助けてくれたんだよ。…この前はありがとう。どうしても君たちにお礼を言いたくてやって来たんだ」
フローラ「わざわざ来てくれるなんてね…この霧に呼ばれた、っていうのもあるんでしょうけど」
シエテ「気配が安らかですね。僕らは貴方を助けることができたようで、何よりです」
フィリサティ「リェーツ……何かに悩んでいたのかい? 私は君の、力になれなかったのだろうか?」
リェーツ「君のことがずっと心配だったんだ。カラヴィヤスは…色々あったんだろう? ただ君を助けたくて、どうにかできないかと模索していたら……、…察してほしい。あまり、言いたくはないんだ」
フィリサティ「………」
ケシェット「模索していたら、…そんな可能性はあるね」
リンアイ「だとしたら許されるべきじゃないな…ライナルト」
ライナルト「……」
リーフ「リンアイ先生、あんまりライナルトを落ち込ませること言わないで」
リンアイ「…ん」
リェーツ「そんな辛そうな顔をしないでくれ。…僕は、あの場で倒されてなかったら、魔物として罪のない人たちを……と思うと、心が苦しくて仕方がない。この結果で本当に良かったと思っているよ」
フィリサティ「…君がそう思うのなら、それでいいのかもしれないね。後ろめたく思っては、いけないな」
リェーツ「そのとおりだよ。フィリサティ。君と出会えてよかった。カラヴィヤスの校長先生にも、礼を伝えておいてほしい。…それじゃあ、僕はいくよ」
フィリサティ「リェーツ。…ありがとう」
リェーツは微笑みながら、光の粒子となって消えていった
シエテ「……よかったですね。もう言葉を交わすこともないと思った人と、最後に話が出来るのは」
フローラ「…そうね。あの人も先生のことが心配だったのね」
フィリサティ「………リェーツ…。わざわざ来てくれたなんて…。私は…君を……。
…うん。君たちにこれを渡そう」
雪白の花びらをもらった!
フィリサティ「幾度も君たちに助けられるとはね……リェーツのことは、帰って少し考えるよ。そろそろ花びら集めも大詰めだと思う。引き続き頑張ってね」
リンアイ「先生。また一つ、前向きになれそうだ」
ケシェット「そうだね。リェーツさんが来てくれてよかった」
シエテ「聖職者、でしたね。世のためになることをしている人ほど、早く亡くなるんですよね…」
フローラ「アンタは長生きしなさいよ」
ライナルト「…さて、最後の1枚。このフロアなのかな。それとも、違うところ?」
リーフ「オレのセンサーが微妙に反応してる…多分このフロアだ」
リンアイ「犬みたいだな」
フローラ「チェルシーの手紙もそうだったけど、アンタのセンサーってわりと正しいのよね。どこでそんなスキル身につけたの?」
リーフ「わかんない。お宝好きの思いがセンサーになったんだと思う」
シエテ「器用ですね」
ケシェット「花びらの場所が近くなればなるほど、センサーの反応は強くなる?」
リーフ「うん」
フローラ「早く見つけて帰りましょ、いい加減頭痛がしてきたわ」
ライナルト「1回帰ったけど休んではないもんな…皆、大丈夫か?」
リンアイ「あたしはまだいけるかな」
シエテ「ここまで来たなら、探した方が早いでしょう」
ケシェット「リーフのセンサーを頼りに行こう」
《別の所》
リーフ「うーん…近いかも……ん?」
ライナルトたちは朽ちた墓の前にやってきた。
墓石の上に、1羽のカラスが止まっている。
シエテ「カラス……あっ!?」
フローラ「え、うそ、まさか本当に!?」
カラスが一声鳴くと、辺りが暗闇に包まれた!
もう一度墓に目をやると、カラスがいたところに、長身の男が座っていた。
ライナルト「だ、誰だ!?」
ケシェット「この気配……似てる、けど、それよりも強大な存在だ」
リンアイ「……何も言わない。だけどアイツにあるのは凄まじい悪意だよ。戦え、ってことなのかな」
リーフ「…応戦、しよ」
▼ENEMY▼
全ての邪念を受け入れし者 Lv65×1
<戦闘勝利>
シエテ「くっ、強い…!」
ケシェット「鎌のリーチが広すぎる!コイツは一体何なんだ!?」
フローラ「魔法もろくに効かない!私たちには時間がないのに…!」
ライナルト「…!?」
男は突然手を止めた
「この世に存在する負の情は、いくら殺しても蘇る屍。世の醜さ、そして、世を憎む者たちのことを、世界が孕むその闇を
決して、忘れてくれるなよ?」
暗闇は晴れ、男も消えていた。
ライナルトたちの前に花びらが落ちていた。
漆黒の花びらを手に入れた!
リンアイ「…これが最後の花びらか」
フローラ「この墓、一体誰の?随分古いけど。さっきの奴の?」
リーフ「え、じゃあオレたちは幽霊と戦ってたんですか???」
フローラ「あ」ゾワワ
シエテ「………考えたくなかったです」
「貴方たちには伝えてなかったわね」
ケシェット「…フユイ校長?」
フユイ「その墓は彼のものではないけれど………マルファスは死んだわ」
ライナルト「………」
シエテ「…本当に亡くなったんですね、マルファス」
フユイ「彼も幸せを望んでいた。けれど、それ以上に世界が憎かった。彼の問いを覚えてる? 己か世界か。それを天秤にかけたとき、彼はどちらも捨てることを決めた。
己の勝手な考えで世界を滅ぼしていいわけがない、と、貴方たちは言った。確かにそれは正しい。だけど世界を救うために、必ずしも彼の尊い命を犠牲にしなければならなかった? 多くのために少数を捨てなければならなかった? だとすればこの世界が、全ての者が幸せと言うには、程遠いものだということを覚えておいて。
それでも、彼の最期は……。
……。
引き止めて悪かったわ。花びらがまだ残っているなら、集めに向かって」
リーフ「…行っちゃった」
ケシェット「3対の翼の、堕天使……今まで見てきた中でダントツで敵わない存在だと思ったな。セレスティアでも、あそこまで堕ちたらもう戻ってこれなさそうだ。クレールスの浄化の力があっても、きっと…気を付けないといけない」
リンアイ「ワカメ、大丈夫?」
ケシェット「ちょっと寒いかな」
フローラ「なんでアイツの話をしたのかしら。確かに気配は似てたけど…関係あるのかしらね」
シエテ「墓石に名前とか…かなり削れてて読めないですね…リーフさん、読めますか?」
リーフ「え〜〜、どうかなぁ…ん〜〜〜………………、……なんかめっちゃ長い名前だってことは分かった。それ以外はわかんないな」
ライナルト「調べたら出てくるかな…とにかく、花びらはこれで全部だ。帰ろう」
《カラヴィヤス学府 校長室》
ライナルトたちはフユイに花びらを見せた
フユイ「……合格。カラヴィヤスの在籍者も全て戻ってきた。貴方たちはカラヴィヤスに認められた。そう言っていいわ」
リンアイ「この花びらは何に使うんですか?」
フユイ「今はそのときではない。最終試験までその花びらは持っていて」
フローラ「まだ試験があるの!?」
フユイ「私が認めるのはもう少し先。最終試験は数日ののち、始まりの光でおこなうわ。複雑なのは今回で終わり。だけど甘く見ないで。今回の疲れを癒やし、最終試験に臨んで。…解散よ」
ライナルト「……校長。一つ聞きたいことが」
フユイ「………。手短に」
ライナルト「どうして、マルファスが死んだことを、俺たちに伝えてくれなかったんですか?」
フユイ「貴方たちにとって彼はいなくてもいい存在。違う?」
ライナルト「俺はあの人を助けたかった。ずっと悩んでました。どうにかして助けられないかと。もし生きてるなら、この世界を見せたいと思ってました」
フユイ「だとしても彼は拒否するわ。貴方たちが思っている以上に、彼の心は深淵をさまよっていた。彼の闇を知らない貴方たちに彼が救えた?馬鹿げたことを言わないで」
ライナルト「…っ!」
リーフ「な、ちょっと!馬鹿げたことだなんて!ライナルトがあの人を助けたかったって気持ちはホントなんですよ!!そ、そりゃ気持ちとかはわかんないけど!」
フユイ「ならば何故彼は死ななければならなかった?」
リーフ「…、う…」
フユイ「彼もこの霧に呼んだけど応じなかった。世界の闇を理解し得ない者に手を貸すのは納得がいかないと言ったわ。未練はなけれど、彼は救われたのではないし、世界はその闇を理解していない」
ライナルト「ど、どうしてそう言い切れるんですか!!」
フユイ「その問いかけは無意味。貴方たちは彼の敵。彼は貴方たちに倒された、貴方たちに“殺された”。この意味がわかる?貴方たちは消えない罪を背負っている。
世界は醜さで溢れている。それでも貴方たちが世界を愛するというのなら、美しいものがあるというのなら、それを証明してみせて。彼の命を奪ってまで世界の平和を優先したのなら、不穏なことがひとときも起こってはならない。不特定多数を守り、世界が平和であり続けるために尽くさねばならない。それが彼を“殺した”貴方たちへの罰」
ケシェット「お言葉ですが校長、貴方にとってマルファスはどういう存在ですか?まるで彼を擁護するような物言いですが」
フユイ「私を確立させた者。いわば依代元に該当する。守り神にとって依代元を喪失するのは生死にも関わる。そして、貴方たち以上に、彼を失って苦悩している者がいる」
シエテ「……誰かは問わないことにします。彼を大切に思っていた人がいる。でも一つだけ教えてください。彼は最後まで、その存在を認知できなかったのですか?貴方の言葉の続きを聞かせてください。彼の最期は…何ですか?」
フユイ「………貴方たちの想像に任せる」
シエテ「…そうですか」
フユイ「一つ。今まで話したのは私個人の感情であり、守り神としての役割を放棄したもの。私の都合で多くのヒトを排除するのは許されない。守り神として言うならば、貴方たちは世界の希望となり得るものと見ている。貴方たちの存在が、世界で認められているのは確か。ただし、私が言ったことは全て事実。覚えておいて。そして忘れないで。
最終試験で全てを見せてもらうわ」
ライナルト「…はい!」
リーフ「が、がんばろうな…なんかいろいろ納得できないけど…」
フユイ「思うことはそれぞれで構わない。他に質問がなければ解散よ」
リンアイ「あの墓の主は誰です?」
フユイ「……。その問いかけは無意味」
フローラ「教えてくれたっていいじゃない」
霧の中でを完了しました!