▽ ユガ先輩からのおつかい

レベル:★★★★★☆☆☆☆☆
記入者:ノンネ
「誰かお願いします」


ユガ「ユガ先輩からのおつかい……はあ、わたくしはノンネに頼んだのに…」

ライナルト「…ん?……うん!?」
リンアイ「どうなってるこれ」
ケシェット「ユガがノンネに頼んだことが掲示板に貼りだされてるってどういうこと?」


ユガ「まあ、いいですわ。あの子にはまだ少し危ないことだったかもしれません。わたくしからの頼みごとですが、依頼を出したのはノンネなので、話を聞くなら彼女に…………。
…あ…ら……何だか視界が……どう、して…?」

ユガはその場に崩れ落ちた

フローラ「ちょ、ちょっとぉ!?」
リーフ「ユガ先輩!!先輩!!しっかりしてください!!」
シエテ「えと、とりあえず保健室へ!」



《保健室》
ライナルト「…シュロス先生、ユガ先輩は……」

シュロス「……無理を重ねすぎたみたいね。暫く休ませてたら大丈夫よ。そっとしておいてあげて」

ケシェット「よかった。まあ、彼女はいつも忙しそうだから…休む時間も大切だ」
シエテ「そうですね。監督生、図書委員、それに…召喚術を扱う生徒への教育……オーバーワークで僕なら倒れますね」
リンアイ「基礎体力が足りないね」
リーフ「ここで突然保健室のドアが開くっっ!!」


ノンネ「せ、先生! ユガ先輩は……大丈夫、なんですか!?」
シュロス「大丈夫よ、ノンネちゃん。暫くゆっくりして、美味しいご飯を食べたらすぐ良くなるわ」
ノンネ「良かった……ありがとうございます……」
シュロス「私はいいのよ。それより、この子たちがユガちゃんを運んでくれたから、お礼を言うなら皆にね」
ノンネ「………みんな…ユガ先輩を運んでくれて、ありがとう。あっ、あのね、違うの。ほんとはおつかい、頑張って行こうとしたんだ、よ…で、でも、怖かった

フローラ「臆病者」
ケシェット「こら」
ライナルト「そのおつかい、どんな内容なんだ?依頼出したの、ノンネだろ?」


ノンネ「ユガ先輩には…イルウィアカトルにある大精霊の心臓を取ってきて欲しいって言われて……イルウィアカトルって、この前皆が行ったところだよね…? 強いモンスターが、たくさん出るかと思うと…怖くて……なかなか行けなくて……ごめんなさい、代わりにちょっと、行ってきてほしいんだ……」
シュロス「まあ、そういうことなの。気を付けて行ってきてね」

シエテ「イルウィアカトル…何かと行く用事がありますね」
リーフ「あそこ長いしごちゃごちゃしてるし行きたくないんだよな〜…でもノンネちゃんの言うことなら…」
リンアイ「ん。わかった、行ってくるね」


ノンネ「先輩…ごめんなさい…私……まだまだ怖いよ……」


《イルウィアカトル『ある召喚士の苦悩』》
祭壇に祀られている大きな宝石がある。
おそらくこれが大精霊の心臓なのだろう

リーフ「で、か……」
シエテ「これは凄い…ここに祀るというのに意味があるんでしょうか」
フローラ「そういえば、イルウィアカトルとオロストンネルって、アルガーディアンの管轄外だって聞いたわよ。無法地帯なの?」
ライナルト「じゃあ勝手に持って行っていいってことなのかな」


ノンネ「皆…!」

ノンネが駆け寄ってきた

ケシェット「おや、ノンネ。一人で来たのかい?」

ノンネ「はあ、はあ……やっぱり私も行くべきだって…勇気を出して来てみた、よ………たくさんモンスターがいて…怖かった……何回も帰ろうって思った……辿り着けて……よかったよ…」

ノンネの目には涙がにじんでいる。

シエテ「……頑張ったんですね」
リンアイ「…そうだ。ノンネ。これ、持って行きなよ」


ノンネ「…………え、私が? いいの…? 最初に此処に来たの、皆だよ……?」

ライナルト「ユガ先輩は最初、ノンネに頼んだんだろ?頑張ってここまで来たんだから、届けてあげなよ」
リーフ「あ、そうだな!それがいい!せっかく来たんだから!」


ノンネ「……………うん、わかった…」

ノンネは大精霊の心臓を手に取った

ノンネ「よいしょ……わあ、……なんだろ…凄く…強い力を感じるな……でも暖かくて…キレイだね……あの、一緒に届けてくれる? 皆が…行ってくれたおかげで…私も此処に来れたから……」

フローラ「…純粋な子なのね」
リーフ「ノンネちゃんは純粋だぞ!」
ライナルト「にしても、ここまで一人で来れるんだから、実力は十分だと思うけどなぁ。何で自信持てないんだろ」
シエテ「生まれ持った性格は簡単には直せませんよ」



《エテルノ学園 保健室》
ライナルトたちはノンネと一緒に保健室へ向かった。
ユガが目を覚ましていた

リンアイ「あ、よかった。起きてる」

ユガ「あら……」
ノンネ「せ、先輩…! あの、これ…」

ノンネはユガに大精霊の心臓を差し出した

ユガ「これは……」
ノンネ「頼まれたもの、です……ご、ごめんなさい、先輩は…私に頼んでくれたのに……怖くて、足がすくんで……結局一人で、行けなかった……このままじゃ私、冒険者になれない…」

ケシェット「……いや。ノンネは来てくれたよ。俺たちが出た後に、一人でね」
リーフ「そうなんです!ノンネちゃん来てくれたんです!」
シエテ「イルウィアカトルはそこそこ難易度の高い迷宮だと思うんですが…勇気を振り絞ったかと思いますよ。大きな怪我もなかったので安心しました」


ユガ「……そう。…頑張ったのね」
ノンネ「は、はい!?」
ユガ「貴方は頼まれでもしない限り迷宮には出掛けないから、何かきっかけが欲しいと思っていたところなの。少しは、勇気が身に付いたかしら」
ノンネ「……まだ、わからない、です。でもっ、強くなるには迷宮に出掛けるべきだって、改めて思い、ました。もし勇気が出たら、また明日にでも……」
ユガ「ふふ。そうですわ。そうやって少しずつ、勇気を育てていくのよ。一人じゃなくて、皆もいるでしょう?」
ノンネ「あ……」

ライナルト「いるぞ!俺たち同期じゃないか!」
リンアイ「うん。怖かったら頼ってくれたらいいんだよ」
フローラ「わからないことがあったらそれなりに教えてあげるわよ」


ユガ「一緒について来てもらったり、たまには手合わせしたり。一人では出来ないことも、皆でやれば出来ますわ。だから大丈夫。貴方だって冒険者になりたくて入学したんでしょう? きっとなれますわ」
ノンネ「……ありがとう…ございます……先輩……私…、頑張ってみます…先輩みたいな、皆みたいな強い人に…なるためにも…」
ユガ「皆さんもこの子のためにありがとう。まだ垢抜けないけど、この子が一人で迷宮に出掛けるようになるのを、一緒に楽しみにしましょう?」

ケシェット「それは楽しみだな」
シエテ「僕でもイルウィアカトルに一人で行こうとは思いませんね…まだまだ未熟だ…」
リーフ「いつかオレも一人で出かけられるように頑張るぞ!世界中の宝のためにもだ!」
フローラ「結局そこに行きつくのね」


ライナルトたちは報酬としてヨルムンガンドをもらった!
ユガ先輩からのおつかいを完了しました!


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