あの花はどこに咲いていたっけ
マリーゴールド
「え?私も158センチなんですけど…」
いや、まさか…。恐る恐る視線を下に落として自分の手を見てみると肌はきめ細かく、程よく脂肪が付いていて触ると気持ち良さそうな子供の手がそこにあった。
「なんじゃこりゃあああああああああ」
ここにきて一番驚いたし一番大きな声を張り上げてしまった。思わず顔をぺたぺたとその小さな手で触ってみるがどうなっているかわからない。足のサイズは絶対に小さくなっている。
「ト、ト、トイレはどこですか!?!?」
いきなり大声を出した私に吃驚しながらもトイレを指差して教えてくれる北条さん。体育館にいる全員が私を見ているがそれすらどうでもよくなる程焦っている。大体のトイレに鏡があることを思い出し一目散に走り出す。スライド式のドアを思い切り開けると入り口に全身鏡があった。
「なんじゃこりゃああああああああああ」
本日二回目の絶叫が体育館に響いた。私の奇行に一瞬気を取られたのか少ししてから数人の足音が近づいてくる。
バンッ
「どうした!?」
閉じたドアを思い切り開けたのは赤司レイヤーだった。
「身体が縮んでるんです…」
「え?」
「私の身体が縮んでるんです!!!」
「落ち着いて名前、何があったかゆっくり説明してくれるかな?」
説明しろと言われても私にも訳がわからないし見たまんまだ。とっくに成人済みの27歳が気づいたら小学生位の大きさになっていた。そのまま伝えるがいまいち信じてもらえない。とりあえず向こうで話そうと赤司レイヤーに連れられ数人が円になっている場所まで移動した。
「随分騒いどったけど間に合わへんかった?」
「女の子に何てこと聞いてんですか」
「元気で何よりだ」
ここにいるのは日向、笠松、今吉、大坪、岡村、赤司、花宮と主将たちのようだ。
「で、赤司名前ちゃんどうしたって?」
「それが彼女によると本来は大人で気づいたら身体が縮んでいたらしいんです」
「ッハ、そんな馬鹿な話あるかよ」
若返ったことは嬉しいがいくら何でも若返りすぎだ。明日からの仕事はどうしたらいいんだ。こんな現実味のない話誰も信じてくれない。
「でも、こんなところに閉じ込められてるわけだし身体が縮んでしまったこともあり得るんじゃないか?」
「こんなところ、ですか?」
「えっと、名前ちゃん?いや本当に縮んでしまっているなら苗字さんか?俺らはここから出られないんだ」
「体育館からですか?」
「違う、正確に言うとこの学校からだ」
「どゆこと?」
「ここからは俺が説明します」
木村の一言によって他の主将たちも可能性として有り得ると思い始めたようでここから出られない、という言葉を赤司が説明してくれた。
「要するにここはどこかの小学校で各高校にいたはずのみんなが気づいたらこの体育館にいて、窓からも玄関からも外に出れず化物がウロウロしている場所に監禁されているということであってますか?」
「大方合っている」
「何の罰ゲームなのこれ…」
いや待ってよ。これ完全にホラー脱出ゲームじゃん。地方に分かれた各学校のみんなが一瞬にして体育館にいたとか化物がいるとか現実じゃあり得ない。しかもここにいる全員話を聞くと本物の感じしかしないんですけど、モノホン。レイヤーじゃなくて正真正銘の彼ら、黒子のバスケの登場人物。まさか小説のように異世界トリップに巻き込まれるとは思っていなかったけれどホラーものって、せめて転生ものの逆ハーとかにしてよ。ホラーは見る専門でやるのは得意じゃないんだって。
「苗字さん大丈夫か?」
頭を抱えて悩んでいると隣に座っていた日向が心配してくれた。金髪ヤンキー痛すぎると思っててごめん。
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