『泥棒のはじまり』ボツ展開


終盤に幸村君のお庭の話の下りがありますが、当初は↓↓↓みたいに、明るめ雰囲気的なふたりのやり取りを考えてました。



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「幸村君がお世話してるから、実物もきっと綺麗だよね···いつか幸村君の家の庭も見てみたいな」

「···それって」

「?」

「誘われてるのかな?」

「へ」

「苗字さんって結構大胆なんだね」

「え、あの、どういう」

「もうちょっと段階を踏むタイプなのかと思ってたよ。事前に連絡くれたら俺の家に、」

「!?ちちち違います···!決してそんな意味はなく、なんというか、その、社交辞令といいますか、あまりにも飛躍しすぎじゃ····!」

「そういう苗字さんも新鮮でいいね」

「···あ、あのぅ」


幸村君の家にお邪魔したいとかそんなやましい意味は全くなかったのに、なんてことを口滑らしてるんだ。いや、ついうっかりってことは本音なのかな。ううん、違うはずだ。違うと信じたい。


「幸村君のご自宅の庭も、その、きっと素晴らしいでしょうねという意味で、遠回しで、い、言っただけで」

「実際に見に来て、確かめてもらって構わないよ?」

「···幸村君は、友達だけど、そ、そんなおこがましいことはとてもできないよ」

「苗字さんなら歓迎するのにな」


彼は至って物腰穏やかに佇んでいるのに、圧されている感覚になるのはどうしてなんだろう。さらにはこんなに機嫌が良さそうなのも不思議だし、というか心臓によろしくないのでやめてほしい。にこにこ笑う幸村君の前で、私といえば頬は熱いやら冷や汗だらだらやらで不格好極まりない。

手を横に振って、前言撤回をなんとか示していたときだった。



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このあとすぐにモブ女子ちゃん達の陰口が入り····でした。

掲載してるのに比べたらだいぶ短いし、あっさりしてますね。自分でもびっくり笑。
初めはこれで完成のつもりでしたが、読み返すうちに物足りなくなって、幸村君へ抱えている心情やふたりの距離感に深みを持たせたく、今のやり取りになりました。私、しっとり系が好きなんです!(とても前のめり)
ここまで連載続けて今さらですが、このシーンを書いたのをきっかけに、ふたりの展開は基本落ち着いたテンポで進めようと方向性が定まりました。
切ないのはもちろん、ギャグ系もほくほく系も色んなのを長編に詰め込みたいです。かなり欲張り。

ここからはお話逸れてほんとにただの語りなのですが、お話書くうえでいつも悩むのが幸村君の話しかたです。
なにって、不二先輩とはちゃんと区別つけたいんですよね···。
やっぱりあれ、似てないんですけど、いやほんと似てないんですけど、一部似てるっちゃ似てるお二人じゃないですか?
書くときはいつも「この台詞って、不二先輩が言ったとして置き換えても変わりないかな···どうかな」とか「不二先輩はこう言いそうだけど、幸村君はこうかな···」とか、とにかく悶々しています。雄みのレベルは不二先輩よりも幸村君のが上だと解釈しておりまして、その感じをうまく表現したい。幸村君と不二先輩が二人で話してるのを文章だけで見分けられるよう書ける人がいたら天才だと思います···そんな文才ほしいな。そういうのって言葉だけではなく、何気ない仕草でも表現できるんでしょうね。キャラへの愛と解釈の極みなんじゃないか。うわー難しい···!

日記だとこんな自分語りしたら逃げてしまわれそうなので、あとがきページ設けてほんと良かった。

  

神さまの通り道

scene