「悪いな。こいつらがうるさくて」
「別に気にしてないよ、佐上くん。優しそうな人たちだし。君は元気にしてた?」
「まあ、何とか」
「そっか」
「ねぇねぇ! これから商店街に行くんだけど、一緒に行かない?」
西園くんの言葉にきょとんとしてしまうが、別に私は問題ない。ただシュウヤくんが問題だ。さっきから不機嫌オーラ丸出しだ。
「私は別に大丈夫だよ」
「やった! 君って凄く話しやすいんだよね。初対面なのに、ずっと前から友達だったみたいな感じでさ」
「そうそう! 不思議だよね」
ユウキくんと西園くんの言葉に、私は無表情をつらぬく。でも、生まれて今までそんなこと言われたことなかった。本当に驚いている。
「ほら早く行こう!」
ユウキくんに手を握られて、そのまま商店街の方へとぐんぐん連れていかれる。再び近づいてきた灯りと喧騒に気を取られていると、後ろの会話がぼんやりと頭を通りぬけていく。
「シュウヤ。いいのか、あれで」
「何の話だ」
「……いや、なんもでない」
何のことだろう。そう思って振り返ろうとしたけど、ユウキくんのはしゃいだ声にハッと前に意識がそれてしまう。まあいいや。覚えていたら後で訊こう。
「うわぁ、凄い! 綺麗だねー!」
「本当だ! きらきらしてる!」
嬉しそうに声を上げるユウキくんと西園くんの方を見ると、私の身長の5倍くらいあるクリスマスツリーに飾りが所狭しとつけられ、花火のように光り輝いていた。月の明るさをいとも簡単に消し、人工的な明るさを放つそれに照らされながら、私はぼんやりと上を見上げていた。