クリスマスか。12月だからすぐに来るものなんだろう。この国では本来の意味は薄れ、恋人や友人たちとパーティーなどをする行事となっているが、果たして私には関係あるのだろうか。
「もうこんな季節か」
横に立った佐上くんがぼそりとそんなことを言った。シュウヤくんはちょっと離れてこちらを見ている。
佐上くんは前の高校にいるときもよくわからない人だった。勉強をしていても、部活動をしていても、どこか別のところを見ているような人だった。それは今も変わらないんだけど、今の方が優しいように感じられる。
「時間の流れってぼんやりしていたら、あっという間だね」
「あぁ」
「1日1日を大切にしないとね」
「そうだな。……お前が元気そうで良かった」
ぽつりと呟かれた言葉にまたもきょとんとしてしまった。シュウヤくんといい、彼といい、今日はいつもより雰囲気が違う気がする。久しぶりに会ったからかなぁ。でも悪い方向に変わっていなくて良かった。
「私も君が元気そうで良かったよ」
「……佐上、いい加減にしたらどうだ」
シュウヤくんはこちらにやってくると、これでもかっていうぐらいキツイ表情で佐上くんに詰め寄る。佐上くんはどこ吹く風で横を向いている。
「どうしたシュウヤ。何か不満でもあるのか?」
「不満も何も彼女に近すぎだ。あのユウキとかいうやつもお前も」
「俺が彼女の隣に立っていたからといって、お前が困ることなんてあるのか?」
「それは……」
シュウヤくんが口をつぐむ。佐上くんを睨みつけるが、佐上くんは涼しそうに受け流している。佐上くんはため息をつくと、私たちに背を向けた。
「シュウヤ、本当にお前は肝心なところで手間のかかるやつだな。……おい、ユウキ、西園。帰るぞ」
「えっ? 何? 佐上なんか言った?」
「帰るぞって言ったんだよ」
「えーっ! もう!?」
ユウキくんがびっくりしたように目を丸くするが、佐上くんは呆れ顔だ。
「無理矢理あいつを連れてきておいて、ほったからしにしたやつが何言ってんだ。早くしろ」
「うっ……わかったよ」
さっさと歩きだした佐上くんに、ユウキくんたちが大人しくついていく。途中でユウキくんと西園くんが笑顔でこちらに手を振ってくれた。手を振り返すと、また嬉しそうな笑顔になる。最初から最後まで賑やかな2人だった。また会えたらいいな。