エースside

最後に紹介するのは新世界に入りしばらくして慣れてきたころ奴隷船を発見し物資の調達のため襲撃することになった
と言っても初めは普通の商船かと思ったが、黒い旗を掲げているため一般人ではないと判断したからである。

接近してみると相手方も気づいたのか敵襲―と騒いでいる
物騒な武器と人相の悪い男たちが数人いる如何にも海賊って感じだ。

俺は先陣を切って突撃した‥‥賞金首でもない奴らは圧倒的に弱く、俺の火拳の技の餌食となった。
見事に鎮圧した俺たちは戦利品を探しに船の中を物色していた。仲間に戦利品の整理を任せその他に何かないか探していた。すると隠し扉のようなものがありそこから人の気配を感じとった。誰かいるのかと思い警戒しながら入ってみると10歳前後の小さなガキが鉄格子のなかで手足を鎖でつながれて横たわっているのを見つけた。

エース「‥‥ガキ?」

生きているのかわからないが細身で、お寺にいるような服装をしているガキが横たわっている。
耳を澄ませても呼吸音が聞こえてこない‥‥

とりあえず蛍火と不知火で鉄格子を破壊して中に入る。
ガキに近づいて耳を澄ませる‥‥。
僅かに呼吸音が聞こえる‥‥

「生きてる‥‥おい、しっかりしろ!」

男か女かはわからないくらいな見た目で、多少衣服がボロボロになっている。
真面に食事を与えられていないのだろう‥‥奴隷か?
将又奴隷になる寸前で輸送されているのか。
それはわからない。

「‥‥−−−ー、さい‥‥」

何か小さくつぶやいている。
微かに聞こえたのが‥‥「ごめんなさい」という
謝罪の言葉。
何に対する謝罪の言葉なのかわからないが、やけに嫌な感じがするモヤモヤするというか。
俺はその言葉は聞きたくなかった。

俺は無意識に拘束されている鎖を溶かし船に連れて帰った。