平和に行きましょう。
嘘なんて
カツカツとヒールの音が響く廊下で、不自然にその音は止まった。
足を動かさなくなった私の脳の中は、ただ一人の事でいっぱいだ。
潰れそうだ。
ギュッと目を瞑った瞬間、脳の中で声がした。私はこんな苦しくて、惨いモノだと思わなかった。
彼は何故私を殺すのだろう。私の心はそんなに丈夫ではないのに。
動かさなくなった脳がまた起動し、足を前へ進め、目的の場所へ行った。
「ブルック、この本有り難う」
「いいえ。名前さんのお役に立てるのなら大歓迎です」
図書館の中で繰り広げられる会話は、至って普通。
「嬉しいこと言ってくれるね。ありがとう」
その普通が残酷で、私の脳をおかしくさせる。
貴方の中で私は一体どういう存在なんだろう。
知りたいけど、知りたくない自分がいる。それを聞いてしまうと、自分が自分じゃなくなる気がする。
「あ、名前さんこの後お暇だったりします?」
「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」
「ナミさんがさっき言われてたのですが、もうそろそろ島に着くらしいので、名前さんも一緒にどうかと思いまして」
「本当! うん、一緒に行こう」
嗚呼、また貴方にどんどん溺れていく自分が憎い。
一体私は何処へ堕ちるのだろう?
いっそ、壊れてしまえ。
-END-
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