「仗助に告白されたの」

いつかは聞くと思っていた。
こんな言葉を、なまえの口から。
仗助に限ったことではない。
高校の時から承太郎はずっとなまえを見守ってきた。他のクラスになまえのことが好きな男子がいると聞いたら潰しに行くのは当たり前、用もねぇのになまえに話しかけてきやがる野郎は誰かれ構わずぶん殴るなんてしょっちゅうよ。若い頃は常になまえが自分にだけ甘ければそれでいいと考えて行動してきた。
なまえと付き合って、何度も身体を重ね、それでもなまえが自分のものになった気がしなかった。
だから結婚した。
それでもまだ、なまえはふわふわとどこかへ飛んで消えていきそうだ。

「実は昨日からずっと嫌な予感がしていた...」

「でもね、ちゃんと断ったの。」

そんな当たり前なことを平気で言ってくるなまえに溜息もつけず、いつもの口癖も出てこない。

「なまえ」

少々、お仕置きは必要だ。
このなまえは俺の心配しているのをまったく感じていないらしい。
昔からだがあまりの危機感のなさにプッツン来そうだぜ。

「、.....承太郎、?」

「久々に厳しくするか。誰のものだか、分かってねぇみてーなんでな」

なまえの目が見開かれる。
こういう危機察知能力はあるんだが。
逃げようとする腕を掴んでベッドに投げ飛ばす。

「わ、私は承太郎の、妻、だよ....?他の人のこと好きになったりしない、」

「そういう問題じゃあねぇぜ。」

まったく分かってねぇやつだ。
服を全部剥ぎ取ると、なまえは小さくうずくまる。
そう今更じろじろ見たりはしねぇよ。
形の良い胸を揉んで乳首を吸うと、すぐにひいひいと言い出す。

「承太郎、っ」

「向こうに好かれるのはテメェが愛想良くしてるからだろうが。」

「ひっ!か、噛まない、でっ」

こうしてもう固く起ち上がってるくせに、なまえは顔を振る。
噛むのが嫌なら舌でよく舐めてやってもいやと言う。
こんな口は信用できねぇから、下の口に聞いてみることにする。

「はぁ、っあ、」

「なまえ、なに俺のいないとこで隙みせてんだよ、なぁ」

「ひぅ、っちが、ぁ、承太郎っ、違うの、わた、しっ」

違う、という言い訳はたくさんだ。
こんなに大事に大事にしているのに、なまえは外で他にも大事なものを作ってくる。
たとえ何回なまえの口から承太郎が一番だと言われたとしても、二番や三番がいるのが気に食わない。
好きだからだ。なまえ。
どうしても不安になる。
子供の頃からずっと、何かに気になったりすると眠れない性格だった。

なまえと出会ってからはこうだ。
俺はなまえが気になって仕方ない。結婚してもなお、だぜ。
俺はこれ以上の関係をどこかで探している。

そんなもの、あるはずがない。





ALICE+