「っ、くしゅ!」


予想よりずっと大きなくしゃみが響いてしまった。案の定、目の前の髪型がすごい男の人はとんでもなくびっくりしている....。

「君は、....、!?」

「あっ、あの」



鼻をずずっ!と吸いながら説明しようと私はシャンプーとリンスを呼び寄せた。相変わらずこいつらはぶくぶくの泡しか出さない。


「っ.....なんだそれ、は....」


男の人はさらにびっくりしたようで、湯船からバシャアッと立ち上がる。
アッ!待ってください!それは、ちょっと困ります!目のやり場がない!
すると一瞬、私が顔を逸らしたその隙に、彼が緑色のピカピカした生き物を出したのに気がつく。



「ぎゃあ!これ、わ、私のスタンドです!貴方も持ってる、いや、ますよね!ほら、その、私は敵じゃありません!」


「君も僕のハイエロファントグリーンが見えるのか、!?」


「ハイエロファントグリーンっていうんだ....!わかりました!大丈夫ですから、お互いスタンドを仕舞いましょう?」


「世の中にはたくさんいるんだな....スタンド使い、という人間が」


「はい、私もたくさん出会ってきました、これまでに.....ってえ、え!な、なにをするんですか!」

しばらく考え込んでいた男の人は、ふっと顔を上げると眉にシワを寄せた。

「ごめん、君を捕まえないといけないような気がするんだ....」

「え!っ」

その言葉と同時に、緑色のピカピカのスタンドからシュルルルと紐のようなものが伸びてきて私の手を掴む。
離してください!と言っても聞いてはくれない。
やばいこんな展開はなかった!

「ちょ、やだ、やめて、」

「君を辱めようとしてるわけじゃないんだ、ただ暴れられると困るッ!」


そんなのこっちが困る!!!
私は頭をぶんぶんと振り回しながらシャンプーとリンスに向かって叫んだ。



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