「なまえさんね?パパの友達ならちゃんとおもてなししなくっちゃ!」
るんるん!と効果音が付きそうなくらい上機嫌なのは、なんとあのホリィちゃんだ。もう大人になっちゃったの!?さっきまであんなに小さくて、愛らしかったのに!
つくづく私のスタンド能力が怖くなってきた。もう時代を飛び越えるスタンドになっちゃったのだろうか....。
シャンプーとリンスを出現させて、どうなってるのよ、と問いかけてもどっちも泡をぶくぶく吹き出すだけだったので仕舞い込んだ。
さっきまでのホリィちゃんが20歳をとうに超えていることを考えると、複雑な気持ちになった。
ジョセフはまだ生きているらしい。
ニューヨークで不動産会社をやっていて、スージーQもピンピンしている。
それは単純に嬉しい。
ジョナサンやエリナ、シーザーが死んだと聞かされた時は私も友人がなくなるみたいでとても悲しかった。
「ホリィちゃんはなんで日本に住んでるの?」
久しぶりに日本式のお茶を出され、一息落ち着いてからそうたずねてみる。
「結婚するときに日本へやって来たのよ!私の夫は日本人なの!日本だと私は聖子だから、聖子って呼んでね」
「そ、そうなんだ」
結婚までしてた。
ジョセフ達の結婚にも驚いたけどさらにその娘のホリィちゃんまで....。
「おかあさん」
不意に後ろから声がして振り返る。
そこには小さな男の子が居た。じっとこちらを見ている。目が合うと、男の子は私のほうへ向かって挨拶をしてくれた。
「こんにちは」
「こ、こんにちは....」
すごく礼儀正しい子だ。小学生くらいだろうか。脇に何冊か本を抱えていた。きっと頭の良い子なんだろうな。
「ふふ、承太郎。向こうで遊んでいたの?」
「(じょうたろう....?)」
ホリィちゃんに呼ばれたじょうたろう君は、うん、とだけ頷いて廊下を走って行ってしまった。
「承太郎ったら最近、刑事ごっこが好きみたい。」
ホリィちゃんがうふふと幸せそうに笑う。
私はそんなホリィちゃん、違う、聖子ちゃん(そう呼べと言われた)にお別れを言って、またお風呂場へと向かった。
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