「え?もしかして、今拒否したのかい? 困ったなあ……私には今のところ、君としか実践できそうな相手がいないのだけれど……」
ほら、やっぱり。絶対彼の知的好奇心による実験に付き合わされる気がしたから、拒否することにしたのだ。もっと色っぽい理由だったら乗ってあげるのにな、と思っていると「なら、別に付き合ってくれる相手を探さないといけないかな……」なんて彼が言い始めるから動揺する。 えっ?そこまでするほどポッキーゲームに強いこだわりが……!?
「そうと決まれば善は急げ、今すぐ探しに行ってくるよ!」
ポッキーを片手にすく、と立ち上がった彼にさすがに焦ってしまう。明らかに行動がおかしいけれど、彼の場合は本気で言っているときもあるから油断はできないのだ。
「待って、伯寧!」
彼を引き留めようと腕に触れたそのとき。がしり、と逆に彼に身体がホールドされる。
「よし、捕獲成功。この罠なら君は必ず引っかかってくれると思っていたよ」
……ああ、やっぱり罠だったか……と落ち込む暇もなく、「それじゃあ始めよう!」と有無を言わさず菓子を咥えさせられる。至近距離にある彼の顔に、胸の高鳴りが止まらない。しかし、彼は最初の一度に動いたきり微動だにせず、こちらを観察するようにじっと見つめるばかりで。そんな彼についに痺れを切らし、早く終わらせようと積極的に進むも、あと一口で唇が触れるという所で羞恥が限界に達する。そのまま口を離したと思った、が。瞬間、こちらの後頭部が突然抑えられて。彼の最後の一口によって、唇が重なった。……この後ってどうするの?依然として塞がったままの唇。さすがに息が苦しくなってきたところで彼の胸を押し返せば、やっと身体が解放された。互いに黙って、もぐもぐと口の中の菓子を咀嚼する。
「……うん、なるほどね。これは確かに新鮮で面白かった!君もなかなか悪くなかっただろう?こういう趣向もたまにはいいものだね!」
満寵様がお気に召したなら何よりです (恥)