「…へぇ?お前はどう思うんだ?」
「ねぇ質問を質問で返さないで」
YesかNoで終わる質問なのに早速話がややこしくなりそうなこと言ってくるから既に前途多難。いいから答えろよ、って催促してくるから仕方なく応じる。
「いない…と思うけど、意外にいたりする、かも?」
「ハッ、つまんねェ答えだな」
呆れたように笑う彼に若干ムッとしつつも、「…で、私の質問の答えは?」と尋ねれば、今度は素直に話す気になったようで。
「まぁ、 お前の言う“ソレ”はいねぇが、 近いうちに“モノ”にしてやろうかと思ってる奴なら」
「…うわ、荼毘らしい」
その子ちょっと可哀想、と零して苦笑いすれば、心底楽しそうな顔をして、くつくつ笑い出す。
「…なら、優しくしてほしいか?」
「?うん」
その子にとってその方がいいだろうと思って、普通に頷く。───瞬間。視界が暗転し、体がソファに沈み込む。こちらを見下ろす彼が目に入れば、押し倒されたのだと理解して。
「……えっと、もしかして…」青ざめたこちらの様子を上から見下ろしながら、不敵に微笑む彼。
「灯台もと暗し、ってな」
…まずい、このままだと本格的にやばい。と思うけれど、時すでに遅し。
「大人しくしてりゃ、お前の望み通り優しくしてやるよ」
あの質問をした時点で彼の術中にはまっていたのだと気づくのは、 全てが終わった後だった。