「轟くん素麺食べたくない?」
「そうか?俺は蕎麦がいい」
相変わらずの蕎麦好き具合に思わず笑ってしまう。
「今日は七夕でしょ?だから素麺にしてみない?」
「?七夕が何か関係あるのか?」
「中国から伝わった伝説で“索餅”っていう小麦粉のお菓子を7月7日に食べると無病息災で過ごせるというものが、だんだん作り方とか形を変えて“素麺”に変化して、七タ食べるようになったって考えられてるんだよ!行事食ってやつかな」
「そうなのか…勉強になった」
じゃあ食べてみるか、と言われたのでささっと茹でる。彼は「結構いけるな」「よかった」なんて言いながら2人で素麺を食べてくれて。
「七夕はこれから毎年素麺でもいいかもな」
「無病息災、大事だもんね」
「いや…それもあるが、お前と七夕を過ごしてるって感じがなんかいい。自分だけじゃ素麺とか作らねぇからな」
何だかサラッととんでもない事を言われてない?毎日味噌汁作る的な…と思いつつもあえて触れないでおく。
「ねぇ、じゃあ来年からは素麺と蕎麦、どっちもちょっとずつ食べるのってどう?」
「!!」
そのときの彼の目の輝きはとても眩しくて、可愛かった。