「織姫と彦星って強いなぁ」
「オリヒメとヒコボシ?誰?何の個性?」
そういう意味じゃないよ、といい微笑むとムッとする彼。「織姫と彦星は七夕伝説の夫婦のこと。良かったら簡単に話そうか?」「……」 無言を肯定と捉えて話し出す。「天帝…つまり神様は、機織りが上手で働き者の娘の織姫と同じく働き者で牛飼いの彦星と引き合わせ───……それから2人は真面目に働くようになり、2人は七夕の夜に会えることになった…っていう物語。さっき強いなって言ったのは、1年に1度しか会えない苦しみに耐えられるのがすごいって意味 」「ふーん。カミサマって奴はそんなに偉い訳?そいつに大人しく従って言う事聞いてるなんて馬鹿だろ」 「え、だって2人はものすごく遠くに引き離されちゃったんだよ?多分神様を頼らないと会う手段がないんじゃないかなぁ」 「俺なら全部ぶっ壊して会いに行けるし」 随分横暴な言い草に思わず笑みがこぼれる。「じゃあ、もし私たちが誰かに引き裂かれても、私は安心して弔くんを待ってることにするね」そう言って彼に抱きつく。彼はそれをしっかりと受け止めて、
「そうなる以前に、誰にも引き裂かせないから」
と得意げな顔をして抱きしめる腕を強めた。