彼女の好きな事なら興味津々。二次元には全く興味はないけれど、彼女が好きなら自分だって見たい、知りたい、共有したい。それが轟焦凍という男。彼女がアニメを見始めると、ぴとっ、と隣にくっついて一緒にアニメ鑑賞会が始まる。
「今日は、はいきゅーか」
「おぉ、すげぇジャンプ力だな」
「こいつならヒーローでも大活躍できるぞ」
一緒に楽しんでくれてるみたいで、こっちまで嬉しくなっちゃう。だからこそ、ついつい調子に乗って話しすぎてしまうこともあって。「ごめん!話しすぎた…!」 オタク特有の早口&長話をしてしまい反省していると、
「いや、大丈夫だ。確かに分かんねぇときもあるけど、その度に教えてくれるしな。それに、お前が好きなもん話してるときの顔、夢中って感じで可愛い」
なんていいながらスクショ必須の王子様スマイルバンバンかましてくるので、脳内スチルアルバムが常に過多。
ある日アニメで推しが大活躍する回が放送されると、「顔がいい!!!」と終始叫びまくる女の子。彼も相変わらず隣で見ているけれど、この日はなぜか黙ったまま女の子のことばかり気にしている模様…。アニメ終了後に 「なぁ、」と彼が呼びかけてくるので、「なーに?」と返す。
「…そいつと俺、どっちの顔の方が好きなんだ?」
こてん、と顔を傾げて聞いてくる顔面国宝。その仕草はダメだ。死人が出る。四肢爆散しそうになりながらも、「轟くんに決まってるよ!!!!!!」 マイク先生にも引けを取らないクソデカボイスで言ってやれば、きょとんと目を丸くして、次には花が咲くようにふわりと微笑む彼。
「そうか。良かった。俺も、お前の顔が一番好きだ」
目を細めて、僅かに頬を染めながら言う彼はこの世の何よりも尊い。鼻血を堪えながらぼーっと見惚れていれば、不意打ちと言わんばかりに軽く口付けられた…。
─────その日、女の子は思い出した。二次元にも勝る轟くんの顔面偏差値の高さを…素敵すぎる彼氏を持てたことへの有難みを……