オタク女子と恋人の彼(弔)





引くどころかむしろ好きを共有できる。付き合うきっかけも、同じソシャゲが好きなことを知ってよく話すようになったこと。それからお互いの部屋にて徹夜でイベントやクエスト回してる内に流れで恋人になる。更には一緒に漫画にアニメ鑑賞までとことん共有できる。お互い無理してないし、ずっと楽しい。最高のオタク仲間兼恋人同士になれる。これが本当の意味での、二次ヲタの理想の恋人像なのかもしれない。会話も二次元のことだけではなく、オンオフ切り替えて日常会話も連合の話もする。後ろめたいこともないし、変に気を使わなくていいので本当にお互い楽。最高。逆に気を許しすぎてて本当に親友のように仲良いから、周りに (こいつらただのオタク友達なんじゃね?) とか若干思われてた。…でもそれは本当に最初の頃だけ。
今では、女の子が他の連合メンバー達とソファー座って談笑していれば、

「今日の夜、俺の部屋来いよ」

とみんなにも聞こえるような声で言い逃げしたり、オタクにしか伝わらないトーク投げかけて2人の世界作り出したりと、徹底的に牽制する。(ちなみに前者のセリフは、「今日の夜、俺の部屋(でイベント走るから)来いよ」の意)
だけど、ソシャゲのイベントも深夜アニメも特にないのに呼び出された日は“そういうこと”のお誘いの合図。…今日特に何も無いのに呼ばれちゃったな…。ドキドキしながら彼の部屋のドアを開ければ、重なり合う視線。

「ん、来たの?」

頬杖をつきながら、悪戯っぽく笑う彼。既に普段のオタク同士の語らいとは全く違う雰囲気に胸が鳴る。コクコク頷くけれど、恥ずかしさのあまり立ち竦んでいれば、おもむろに手を広げる彼。

「おいで」

優しいけれど、やけに熱を孕んだそれに、心臓が早鐘を打つ。けれど、羞恥よりも彼に早く触れたい衝動に駆られて手を広げる彼に向かいぎゅっと抱き着きつきに行く。

「…今日ここに来たってことは、そういうことだろ?」

耳元で囁かれて、顔が熱くなる。一応確認してくれるのは彼の優しさだけど、少し恥ずかしい。またしても無言でコクコク頷くと、そのままベッドになだれ込む。押し倒している彼の瞳には、今はしっかりと情欲の色が伺えて。どちらからともなく口付ければ、甘い夜に浸っていく…。
好きを共有できる親友のようでいて、しっかりと恋人同士の関係になれる大好きなひと。それはきっと、この世に彼しかいない。



backtop