副作用が出たその日、体調が悪い女の子を見てあからさまに動揺する。とりあえずベッドまで連れて行ってあげるけど、何をしていいか分からない彼。
「心配しないで。少し寝ればきっと良くなるから」
動揺する彼を安心させるように笑かけるけど、彼は納得いかないようで。
「…すぐ戻る」
そう言い残して、部屋を出ていってしまう。
彼はアジトへ行くと、直ぐに連合メンバー全員に緊急招集かける。
「…アイツが体調不良になった。何したらいいか教えろ」
突然の招集にも関わらず議題が議題だから、他メンバーは、「は?」となる。
「オイオイそんなことで急に呼び出したってのかよ?」
呆れた風に荼毘が言えば、
「そんなこと?一大事に決まってんだろ」
と普通にキレられるので「(これ真面目に言わないとダメだ)」と一致団結するメンバー達(荼毘以外)。それからあれこれ話し合うけど、結局ミスターの「こんなこと話してる暇あったら一緒にいてあげた方がいいんじゃねェの?」 という一言によって即解散。正確には、弔くんが無言で立ち去って女の子の元へ直行する。
部屋に戻ると、ベッドですやすや眠っている女の子。彼はベッドの端に軽く腰掛けて、女の子を見つめる。
「…大丈夫?」
その柔らかな声は、誰にも届くことなく空虚に消える。3本の指でそっと額に触れると、僅かに熱を持っている。
「……お前が元気ないと、俺も元気でない」
ふわり。女の子の乱れた髪を耳にかけてあげる彼。規則正しい寝息は、女の子が生きているということを明確に証明している。
しばらくの間女の子の寝顔を見つめているけれど、次にはふと女の子の額に唇を寄せる。
「…早く良くなれよ」
まるでおまじないかのようなその行為。誰に教わるでもなく、彼自身がしてくれるからこそ、それにはとても意味があって。彼は女の子が目覚めるまで、ずっとその姿を見守り続けていた。