「おはよ、…え」
女の子の首元を見て絶句する。
「(そうか…彼女にはもう付き合っている人が…)」
好きな子に恋人がいることを知って落ち込む彼。
「…えっと、首元…なるべく隠した方がいいよ。からかわれると、面倒だろうから…」
そんなときでも女の子に対する気遣いは忘れない、あまりにも優しすぎる彼。
「首…あー!確かにこんなところ、恥ずかしいかも」
照れくさそうにはにかむ女の子は本当に可愛らしいのに、心が痛くて仕方ない。
「…隠すものがないなら、絆創膏をあげようか?」
「いいの?ありがとう!…あ、でも待って。薬塗ってからにするね」
「…え、薬?」
「うん。ちょっと痒いからさ」
「痒…みとかあるのか…そうなんだ…」
「えー?環くん痒くならないの?」
「っ…俺はそういう経験ないからさ…そもそも俺は、ずっと…」
「うそ!環くん蚊に刺されたことないの!?」
……。
彼はそこでやっと、女の子の首の痕がただの虫刺されだと気づいた。
ちなみにこの話は、女の子&環の付き合うきっかけとなった伝説のすれ違いコントとしてミリオによって語り継がれていくことになる。