蚊に刺されがキスマに見えちゃった(弔)





「…何それ」
「え?」
「首の、赤くなってるやつ」
「…あー!これ、蚊に刺されだよ」
「…ふーん」

変な勘繰りなどせずに素直に聞いてくる彼。一度チラリとそれを確認したあと、興味を無くしたように視線を逸らした。

「変なところに刺されたな。薬は?」
「もう塗ったよ!スースーする」
「そう。じゃああんま掻くなよ。掻くと痕に残りやすくなるから。お前の肌、綺麗だから勿体ない」

こういうことを、照れもせずに堂々と言ってくるから心臓に悪い。女の子は顔を赤らめつつも 「そ、そっか…ありがとう…」と感謝を述べる。

「ん。…あとさ、ちゃんと虫除けとかしとけ。それ、あんま見てて気分よくないし」
「…?気分良くないの?なんで?」
「…キスマークに見えるから」

ドキリ。胸が跳ねる女の子。

「き、キスマークに見えると、弔くんは気分が悪いの…?」

早鐘を打つ鼓動を押し込めて、思い切って聞いてみる。すると彼は女の子の方をじっと見つめ、不意に目を細めると「……知りたい?」 なんて意地悪っぽく笑ってきた…。




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