ピクリと僅かに体を動かした後、「え?」 といつものニコニコ顔に(ただし、背後の圧がすごいver.)。
「あーなんか聞き間違えたみたいです。……それで、なんて言いました?」
もう既に白旗あげたい女の子。でも、ここでめげたら負けっぱなし。
「今日は一人で寝ます…!」
彼に向かって堂々と宣言する。ばちばちばち。見えない火花が、彼との間に飛び散る。笑顔の彼、プルプル震える女の子。両者、無言でどちらも譲らない。
しばらく経つと、 彼はこちらに歩み寄り始める。思わず構えのポーズを取る女の子だけど、その構えポーズの手を、彼は自らの手のひらで柔らかく包み込んできて。その行動に疑問符を浮かべていると、ふと彼は握り締めた女の子の手に唇を寄せ。ちゅ、と軽く口付けられる
「え、?」
彼の突然の行動に顔を赤らめる女の子。すると、彼はニヤリと妖しく微笑む。その流れで、指先から手の甲、二の腕、胸元、首元、顳顬…。焦らすように柔く口付けを落とす彼。心臓は早鐘を打ちながらも、蠱惑的な雰囲気を醸し出す彼から目が離せない。頬に口付けられた後、再び目が合う。彼は親指でするりと唇をなぞって。
「……ねぇ、さっきの。もう一回言って?」
吐息を肌で感じ、びくりと震える。
「…なんでもないです」
選択肢はあるようでないようなもの。彼はそれを聞くと、「よろしい」 と微笑み、待ちかねたそれを深く重ねてきた。