「今日1人で寝るね」って言ってみた(ロディ)





「え、……」

目を見開いて驚く彼。女の子としては、表向きではヘラヘラしてるけどピノはしょんぼりしてて可愛い〜…なんてシチュエーションを予想していたので、これにはびっくり。お互いに驚き合って沈黙が続く。やがて彼はふいっとそっぽを向いて。

「…ふ、ふーん?……いいぜ?別に、…俺は…全然…気に、しないし……」

だんだんと尻すぼみになりながら、 ごにょごにょと呟く彼。 ロディくん。その様子じゃ全然説得力ありません。ピノを確認しようとするけれど、彼は感情を悟られたくないのかピノを両手で閉じ込めてしまっている。この時点で彼の気持ちは痛いほどに伝わった。が、これだけでは物足りない女の子。心を鬼にしてすたすた立ち去り、寝室へ。


ベッドに潜って約1時間。もの寂しさを感じてなかなか寝付けない女の子だったけど、徐々にうとうとしてくる。彼が来るのを期待したけど、結局来なかったな。少し肩を落として眠ろうとすると、突如、勢いよくドアが開かれる。
そのまま豪速で何かが布団に入り込んでくるから、女の子はすっかり目が冴える。もぞもぞとこちらに擦り寄ってくるそれはピノ。ふと見上げれば、 ドアの前に立つ彼がいて。彼は決まりが悪そうな顔で、くしゃりと髪を掻き上げた。

「……そういうことだから、さ…やっぱ、一緒じゃダメ?」

薄暗い部屋の中でも、赤く染った頬はしっかり窺える。緩む口角を抑えながら頷けば、彼はホッとしたように笑った。




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