「は?」
ドスの利いたその声に、思わずたじろぐ。女の子に対しては基本的にいつも優しい彼がとんでもない声出すから、それはもうビビる訳で。え、これもしかしてやばい?汗ダラダラな女の子だけど、それは杞憂に終わる。
「……なんで」
「え?うーん…気分…?」
は?お前マジで言ってんのそれ?、とでも言うかのような表情をし、眉間に皺を寄せる彼だけど、 次にはムスッと不貞腐れた顔をする。
「…気分で普通そうなんの?…まぁいいけどさ」
完全に拗ねてしまった彼は、そのまま自室へ行ってしまう。
言い過ぎたかな…。布団の中で反省している女の子。何度も寝返りを打ちながら彼のことを考えていると、ふと誰かに掛け布団を捲られ、背中に肌寒い感覚が。それが誰なのかも不確かなうちに、後ろから優しい温もりに包まれる。
「…何であんなこと言ったの。俺のこと、嫌いになった?」
拗ねてるようでいて、どこか寂しげな声にぎゅぅ、と胸が締め付けられる。
「寂しがってくれるかなって…ごめんね」
肩に頭を乗せている彼の、ふわりとした髪を柔く撫でる。
「…それで?満足したの」
未だ少し不貞腐れてる彼が子供っぽくて可愛らしい。軽く頷いて2度、3度また髪を撫でていれば、今日も彼と二人、穏やかな眠りに沈んでいった。