「…ふーん?そう」
んじゃおやすみ。ぽんぽんと頭に触れると、そのまま自室へ戻ってしまう彼。あまりにも簡単に受け入れられちゃうから寂しくなってしまう。流石に駄々をこねることはないとは分かっているけど、まさか一切の動揺も見せないなんて。結局、自分だけがこんなに好きなんだと思い知らされてしまう。
いつもと何ら変わりのない布団の中。同じはずなのに、今日はどこか肌寒い。目を開いても、閉じても、浮かぶのはそこにはいないはずの彼の姿。温もりを求め伸ばした手は、虚空を掴むだけで…。
やがて女の子は我慢の限界が訪れてしまい、彼の眠る部屋へ向かう。努めて静かにドアを開き、こっそりと中の様子を窺うと、彼はなんとベッド上に座っていた。すっかり眠っていると思っていたので驚く女の子だけど、彼は女の子の突然の訪問に驚いた様子はなく。
「そろそろかな、って思ってたよ」
まるでここへ来ることを予め分かっていたような口ぶり。何で、と呟く女の子に、彼は含み笑いをして誤魔化す。
「おいで」
優しげな声に誘われ歩み寄れば、彼の腕の中に包まれて。
「このままお前が来なかったら、結構自信なくなってたかも」
それはつまり、もう1人じゃ寝れない程に夢中にさせてる自信があった、ということだろうか。
「…私をこんな風にしたからには、責任取ってくださいね」
むくれた顔で拗ねたように呟けば、
「最初からそのつもりだよ」
という囁きとともに、 柔く額に口付けられた。