ヒーロー基礎学での戦闘訓練後。各々で反省点を語り合っている中、ふと女の子の方を見るとスボンに染みが見えた彼。青いジャージなのであまり目立ってはいないけれど、よく見れば容易に気付いてしまう。他に気付いている人がいないことを確認すると、ジャージを脱ぎ女の子に掛けてあげる。
「それ着とけ」
彼の突然の行動にみんなは動揺。きょとんとする女の子を他所に、 次には徐に抱き抱えると、ずんずんと歩いていく。
「爆豪、お前何してんの!?」
咄嗟に呼びかけた上鳴くんに、彼は足を止めて。
「…戦闘でやり合った時に俺の攻撃が掠った。 俺ァ貸し作るなんざ御免だからな、早めに返しとくってんだ」
それだけ残して再び足を進める。
「…汗くせェとか文句言うんじゃねェぞ」
「それは大丈夫だけど…爆豪くん私怪我なんて、 」
「るせェわ だーっとけ」
それからはお互い黙り込む。彼の真意が掴めないまま辿り着いた先は保健室。足でガッとドアを開けると同時に口を開く。
「コイツ、タイチョーフリョー」
リカバリーガールに向けてそう言いながら、ゆっくりとベッドに下ろしてくれる彼。
「ありが、とう?」
とりあえずそう言ってみれば、 背を向けたまま、 やんわりと手を振り去っていった。
その後、事情を知った女の子は羞恥やら申し訳なさやらで頭がいっぱいになるけど、こんな優しさを見せられてしまったら意識せざるを得なくなる。彼の方はというと、今回の件を機に女の子と話す機会が増え、 ほくほくしてるとか。