OFFの日のショッピング中。彼はちらりと見えた赤い染みにすぐさま気付くと、さりげなく女の子寄り添い、自らの羽でそれを上手く隠してくれる。自然な流れで目的の地まで女の子を移動させると、
「実はちょっと買いたいものがあるんで、お手洗いでも行って待っててくれませんか?」
最速で戻るんで!そう言って笑いかける彼に、女の子は特に疑問を抱く訳もなく。
そのままお手洗いに行けば、血が漏れているからびっくり。万が一の為に替えの生理用ショーツは持っているけれど、汚れてしまった服はどうしようもない。
持ってきていたショルダーバッグで何とか汚れを隠し、憂鬱な気分でお手洗いから出る。と、入口付近で待っていたのは彼。その手には、女性向けファッションブランドのロゴが描かれた袋が。
「さっき、ここの服見てたでしょ?俺も貴女に着て欲しかったので、買ってきちゃいました。…どうせなら、今着てみます?」
ここまできて彼の意図を完全に理解し、息を飲む。 大事にすることなく、変に深堀りすることなく、速やかに対応をしてくれる彼に感謝してもしきれない。
「…ありがとう」
彼の気遣いを無下にしないよう、あえて何も言わない。言わないけれど、多くの意味を込めて言う。彼はそれを汲んだのか優しく微笑むと、
「…気にせんでよか」
宥めるような声で言ってくれた。