課題をしているこちらの横に、 ぴとりとくっついている彼。邪魔はしてこないし、行き詰まればアドバイスをくれるので迷惑ということは無いけれど、待たせてしまっているのが何だか少し申し訳なくて。ふとシャーペンを置き、構ってあげる気持ちも込め、横にいる彼の頬を優しく撫でる。突然の行動に彼は一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐにこちらの掌に頬を寄せ、気持ちよさそうにすりすりと擦り付けてくる。その行動に思わずきゅんとし、「可愛い…」 無意識にそう呟けば不思議そうな顔をする彼。
「?可愛い?…俺がか?」
「うん」
「いや、どう考えても可愛いのはお前だろ」
…そして天然なのか何なのか。恥もせずにしれっとそんなことを言ってくるのが彼で。確かに未だどきりとはするけれど、彼は割と頻繁に好きやら可愛いやら言ってくるのでもうそこまで動揺はしない。
「…もう。そんなに可愛いの安売りしないほうがいいよ?焦凍は今日から本当に可愛いって思ったときまで可愛いって言うの禁止!」
照れ隠し半分、本音半分でそう言ってみる。彼は寸刻何かを思案すると、次には首から後頭部へと手を回し、顔を寄せてくる。
「え、ちょ、ん…!」
突として降り注がれた口付けは、
重ねる度に甘く深く絡められ、 酸素を奪い、 熱を貪る。もう限界、という所に達すると、彼はやっと唇を離した。薄く開いた瞳からは、鼻がつきそうなくらいの距離にいる彼の灰と蒼の双眸が見つめてきていて。
「…かわいい」
囁かれたその声に、脳が甘く痺れる。後頭部へ回された手がさらりと頭を撫で、「今のは、だめか?」 なんて聞かれてしまえば、 首を振るしかなかった。 もちろん向きは、 横に。