「…私ね、実は、その…アイプチしてるの…」
「…え、?」
ふと男子達の会話から “彼女の二重が可愛いと思ったのに実は一重で萎えた” なんて言葉が耳に入ってしまって。まさか彼がそれを話した男子のような考えに至るとは到底思えなかったけれど、どうしても不安は押し寄せてきてしまって。この不安を払拭してもらいたくて彼に真実を伝えたのに、心のどこかで嫌わないで≠ニ震える自分がいる。
「…嫌いに、なった?」
漏らすまいと思っていた本音はいとも簡単に口からすり抜け、容赦なく彼の耳に入り込む。どくどくと鳴り響く心臓の音を感じながら彼の返答を待っていると、ついに彼は口を開いた。
「…そっか、ごめんね」
思ってもみない言葉に俯いていた顔を上げると、どこか曖昧に笑う彼。
「君は俺がその事実を知って失望するんじゃないかって心配したんだよね?…ごめん、不安にさせてしまって」
「なんで…そんなことな、 」
「いや、あるよ。…だから言わせて?」
不安にさせてしまった自分を責める彼の、どこまでも優しい心を感じつつ、徐に頷く。彼はそれに満足そうに微笑むと、こちらに向き直った。
「俺はどんな君だって大好きだよ。確かに君の顔立ちは可愛いと思うけど、可愛いから好きなんじゃない。君が好きだから、全てが可愛く思えるんだ」
どうかな、まだ不安?
そう言って覗き込んでくる彼の顔を、 今はまともに見ることが出来ない。けれどこれ以上彼の口から爆弾が放たれないように、「…不安じゃない」 ぼそりと呟けば、そっか良かった、と言う彼の安堵の声が、全てを包み込んでくれた。