「…啓悟って綺麗な二重だよね」
「何言ってんですか。君だって同じく二重でしょ」
「…いや、実は私アイプチなんだよね」
「……え、」
ひょんな流れから思わぬカミングアウトをしてしまったことに気づいても、時すでに遅し。サァ、と顔が青ざめていくのを感じ、恐る恐る彼の顔を覗き込むと猛禽の瞳の奥には、まるで少年のようなキラキラとした光が窺えて。
「…一重見たいです。めちゃくちゃ見たいです」
「えー、やだよ」
「安心してください、絶対可愛いから」
「……笑わない?」
「断言します」
そんなこんなで半ば強引に流されつつ、その日の夜はアイプチをせずに彼のいるベッドへと向かう。
「ちょっと。そんなことしたら転びますよ」
顔を両手で隠しながら歩けば、そんな言葉を投げかけられて。
「無理、やっぱ無理。目の大きさ全然違うし…」
「大丈夫だから。ほら、こっちおいで」
彼の声のする方へととぼとぼと歩みを進めれば、背中を何かに強く押されて、「わ、ぷ」 「はい確保」彼の放つ心地よい重低音と共に、鍛え上げられた筋肉を布越しに感じる。先程背を押したのは彼の羽か、と思いつつ彼の腕から逃れようとすると、不意に顔を隠していた両手を彼の手で取り払われる。あ、と思ったときには、彼の瞳がじっとこちらを見つめていた。
「…あ、本当だ。ちょっと印象変わりますね」
にこにこと笑う彼を “笑わないって言ったよね?” と目で訴えながら見返せば、ごめんごめん、と反省しているかいないかよく分からない返事をされた。今こちらの顔は、ただでさえ小さい目に怒りも相まって、更に小さく見えていることだろうな、と少しく悲しく思っていると、彼は宥めるように頭を一撫で。
「…でも、やっぱり予想通りでした」
何が?と動く口よりも早く、彼の指はこちらの顎に添えられて。
「…かわいい」
とびっきり甘い言葉にどきりとすると、さらに甘ったるいものが唇に、鎖骨に、胸元に、 そして、 …。