ただでさえオセオンの人々はほぼ二重だというのに、誰もが羨むぱっちりくっきり二重の彼の横に立つというならば、一日たりともアイプチを欠かす事など出来ない。ましてや彼にこの真実を言うことは出来ない。けれど、自国から持ち出したアイプチのストックがもうすぐ底を尽きる、という時にここが潮時だと腹を括ることに。
「ロディ、私ね…アイプチしてるんだ」
「…あー…あぃ、ぷ…?」
初めて聞く単語に戸惑う彼に事情を説明すれば、みるみるうちにその大きな瞳が見開かれていく。
「マジかよ!?そんな事が出来んのか!さすがジャパニーズ・クオリティ…」
いやそこ?という所を気にしている彼に、思わず突っ込まざるを得ない。
「理由とか聞かないんだ」
「…あー、確かに。何でそんな事してるんだ?仕組みは分かったけど、イマイチそうする意味がさ…」
そこが分からないのは文化の違いか、彼ならではなのか。ぽつぽつと、周りの皆が綺麗な二重だから恥ずかしい、 ロディに嫌われたくなかったという旨を伝える。すると 「ハァ!?」なんて心底驚いた彼の声が返ってきて。
「嫌い、とか…!バカ、んなのなるわけねぇだろ!?そもそも国が違うんだから顔つき違うのは当たり前だし、…」
続きの言葉を渋る彼に首を傾げると、頬を染めバッと目を逸らされる。
「…それに俺、お前のその…ニホン人特有の顔っつーの?それ…結構というか…かなり、好き、だし…一重でも全然、とか……っはぁ〜〜言わせんなっての!」
片手で顔を隠す彼の頬はますます朱に染まってゆき、その隣でピノは赤い顔を翼で覆い隠していて。お世辞で言っていないと分かる彼の様子から、 じわりと心が温まってゆく。「私もね、ロディの顔がすごく好きだよ」 と笑ったら、1人と1匹は更に真っ赤になった。