呼び出した名前を確認して嬉しい気持ちより先に訝しんでしまった。彼から連絡が来るなんて明日は雪でも降るかもしれない。
「もっしもーし、 どちら様でしょうか!」
「え、とさなです?」
咄嗟に答えて自分の脳内でツッこんだ そうじゃない!かけてきたのは彼でしょうが!!
「ふ、ふふ……ホントアメは期待を裏切らないな〜簡単すぎる!」
「言葉と態度が合ってない」
彼のくすくすした笑い声が漏れている
「写真みたぞ!おかげでお腹すいちゃった、どうしてくれるんだよ」
ビックリしすぎて一瞬時が止まって耳を疑った。
「え、嘘だ……槍が降る……」
「むむ、人の事悪く言っちゃいけないんだぞ!ままにならわなかったんでちゅか?ばーかばーか」
「ばかって言う方がばかなの!ばーか!!」
いつもの子供のような小競り合い。人見知りの私でも随分絆されて慣れてしまったのだろうか。彼に対しては悩むことなく言葉がすんなりと出てくるのだ。
暫く無言がつづいたあと、次に聞こえてきたのは少し拗ねた時に聞く声だった。
「折角写真気づいたから……電話しようって今日は無くさないように頑張ってたんだぞ!」
心臓が止まるかとおもった。でも口から漏れるのは あ、とか う、とか到底言葉とは言えないもの 。
肝心な言葉だけいつも素直に言葉に出来ない。でも同時に分かっている言葉にしなきゃ伝わらないことだって必ずあること。
「……本当は、電話くれて嬉しい…かも……しれない…?」
心の中ではこんなに彼のことが好きなのに、実際はこれで精一杯で、それでも彼はまるで全部わかってるかのように笑うのだ 。
「近いうちに 、帰る!!また作ってくれたら嬉しいっ」
その言葉が心に刺さる。君の言葉1つで私が頑張れることなんて君はしらないんだろうね。