平和に行きましょう。
壱話:幸せな日常
窓にかけられているカーテンから朝日が差し込んできた
沢山の子供たちがすやすやと眠っている中でオレンジの髪の少女が眠い目をこすりながら起き上がると両手を上げて笑顔になり大声で叫ぶ
「みんなぁ〜!起きて!朝ごはんおっくれるよ〜!!」
目覚まし時計の如く響きわたる声に幼い子供たちもまた、目をこすりながら続々と起き上がってくる。
年長者組はカーテンを開き、子供たちの着替えを手伝っている。
オレンジの髪で翡翠の瞳の少女「エマ」もまた、子供たちの手伝いをしている一人だ。
子供たちは全部で38人。年長者は最大で11歳である。
11歳の子供たちは「エマ」「ノーマン」「レイ」の3名である。
ノーマンとレイは今日は食事当番のためエマたちよりも早く起きているためみんなのいる部屋にはいなかった。
子供たちは“ほぼ”全員起きているがただ一人寝起きが悪い子供がいた
ベッドの上で今でもすやすやと眠っている
白銀の髪のショートヘアに、蒼い瞳の少女。名前は「ソウマ」という
歳は6歳。身体が強くなく、病弱でもあるため起きていることは少ない。
一つ下の男の子「フィル」がソウマが起きないことをエマに伝える
フィル「エマ〜!ソウマが起きないよぉ〜!」
エマ「また?…わかった、フィルたちは先に行ってて?私が起こすから」
フィルは笑顔で頷き部屋を出ていくのを見おくるとエマはゆっくりと寝ている彼女の元へと近づく。
エマ「ソウマ〜起きて!朝ごはん遅れるよ?」
「……う〜ん?…ぅ、エマ?」
エマ「おはよう、ソウマ!今日の体調はどう?」
「うーん、少しだけいいみたい…おはよぉう〜」
まだ眠いのか目をこすりながらゆっくりと体を起こした。
今日は2045年10月の12日コニーが里親に引き取られる日であるので一緒に過ごせるのが最後の日である。
コニーとは同い年なのでそこそこに仲がいい。
エマに着替えを手伝ってもらい抱っこされながら食堂へ向かうその途中でドンとコニーと出会い朝の挨拶をする
エマ「ドン!コニー、おはよう!リトルバーニーも!」
ドン「おう!ソウマ、また起き遅れたのか?体調は大丈夫なのか?」
コニー「おはよう、エマ!ソウマも」
「うぅ〜ん、おはよう…zzドン、コニー…リトルバーニー…
体調は大丈夫、少しだけいいみたい」
リトルバーニーとはコニーが持っているうさぎの人形の名前である。
半分くらい寝ぼけながらエマにより食堂に連れてこられる
エマ「よし、間に合った!」
安堵したときに背後から二人の男の子がタックルをかましたことによりその衝撃で私はエマから離れると、エマは二歩前へよろよろとよろめきうつむいて「ふっふっ」と怪しい笑みを浮かべて二人に振り返る
エマ「お前たち…食ってやる〜!」
両手をあげておばけのようなしぐさをしながら二人を笑いながら追いかけた
最年長なのに子供のようである。
二人を捕まえた後背後からフィルも乗りかかり参戦し笑いあう
エマに抱き着き頬を引っ張りながら再び食堂へ入場すると朝食当番の「ノーマン」と「レイ」が現れる彼らもまた、最年長組の一人である。
エマはフィルに頬を引っ張られたまま挨拶をする
エマ「おっふぁよぉ〜!ノーマン、レイ」
ノーマン「おはよう、エマ!」
レイ「おっふぁよぉ〜、エマ」
ノーマン「元気だね…まだ朝ご飯前なのに…ソウマもおはよう!
体調は大丈夫かい?」
「おはよう…ノーマン、うん大丈夫だよ!ありがとう」
レイ「…お前歳いくつだ?五歳?…まだソウマのほうが大人だよな?ソウマ」
「そんなことないよ、レイ」
エマ「二人と同じ11歳!最年長ですけど〜!」
すると後ろから「ふふ」と笑い声が聞こえた…ママが立っていたのである
ママ「エマ、こっち手伝って?」
エマはママに抱き着いて揶揄われたことを根に持った
エマ「ママ〜!もう一度入るところからやり直すぅ〜!」
ママ「どうして?私はエマのそいうところ好きよ?」
エマ「中身が五歳なところ?」
ママ「家族みんなをとても大切に思っているところ」
女神のように微笑むままは今日も美しいと思った
エマ「ありがとう!ママ!ニヒッ」
みんなが食堂へ着くとママはベルを鳴らし、話していたみんなは静かになる
ママは時計を確認して「今日も時間道理ね!」と嬉しそうに話すと挨拶をする
ママ「おはよう、私の可愛い子供たち!今日も39人の兄妹みんなで幸せに暮らせることに感謝していただきます」
「「「「いただきます」」」」
みんなは静かに食事を始めた。
初めは静かだったがだんだんとにぎやかになってくる
年上の子供は、年下の子たちの食事を手伝ったりしている
コニーは、ハウスにいられるのが最後の日であるためかママのところまで行き、食べさせてもらっていた。
最後の日ということもあり、甘えたいのであろう。
朝ごはんが終わると、毎日のあるテストが行われる
それは学校の代わりだということで毎日勉強をしている
勉強が終わると成績がいい純にスコアが発表される…
type1、各問いに十秒以内に答えなさい
それでは始めます
みんなが真剣に行う中でようやくテストが終了した
トニーが自信ありげに「半分はいっただろう」と嬉しそうに話していた
コニー「半分も?!すごいなぁ〜私なんて全然だよ」
ママ「それでは結果を発表するわね!
「ノーマン」「レイ」「エマ」そして今回は「ソウマ」も!4人とも凄いは満点のフルスコアよ!!」
エマ「イエーイ!」
ノーマン「すごいじゃないかソウマ!満点だって!」
レイ「へぇ、やるじゃねぇか」
エマ「すごいよ!ソウマ頑張ったね!」
「ありがとう、ノーマン、レイ、エマ!そしてママも!私もうれしい」
コニー「ソウマ凄い!おめでとう!」
「ありがとう、コニー!」
「やっぱり、違ぇわ…あの3人は…断トツの頭脳を持つ、天才ノーマン
その天才と唯一互角に渡り合える知恵者 レイ
抜群の運動能力と学習能力で二人を追いかける、エマ
そしてなんと今回は、我らがソウマがフルスコア組に仲間入りを果たしたのだ!
これは鼻が高いぞ!」
ギルダ「すごいよねぇ〜あのレベルが一度に3人そして、今回もう一人増えて4人もいるんだから!それにハウス史上初だって!!」
「そりゃあ、ママも喜ぶわ」
子供たちが次々と感想を述べている、三人の紹介の時私の紹介が追加されたことに驚きながらもその光景を見守る
ドンは、ノーマンに「ゲーム」で勝負を挑むことにしたらしい
そして私たちは勉強が終わると自由時間が始まる
外で遊ぶ者や、家の中で過ごす者たちもいる。
私はコニーや、フィルと一緒に過ごしていた。
「コニーとは、今日が最後だね」
コニー「うん、何だか寂しいな〜。今日ソウマの体調がよくてよかった!
一緒に遊べるから!」
「ふふ、そうだね!フィルもそう思うでしょう?」
フィル「うん!」
今日は走り回ることは出来なくても一日動き回るくらいに体調はいいので外でみんなと遊ぶことにしたのだ。
木の下でレイは本を読んでいる
しばらくすると先ほどドンが勝負を仕掛けたように鬼ごっこが解される、それを聞いたエマたちがみんなで鬼ごっこをすることにしたらしい
私は流石に走り回るのは厳しいのでレイのそばで観戦することにした
ノーマンが鬼でみんなは、逃げる
ノーマン「ソウマは、参加しないのかい?」
「うん、流石に走り回ると明日体調悪くなりそうだからやめておくね」
ノーマン「わかった、無理しないで気分悪くなったら言うんだよ?」
「うん!ありがとう、ノーマン」
二人の容姿は双子のように似ているが、血のつながりはない
ノーマンは、血のつながった妹のようにいつも気にかけてくれている。
ノーマンはレイのほうをみると、ポケットから時計を取り出し時間を確認して頷いた
頷き返しノーマンはみんなを捕まえに行った
大好きな歌を口ずさむ
レイside
ソウマが、本を読んでる俺の隣に座り木に背を預けて空を見上げながら歌い始めた
今日はコニーが里親に引き取られる日、ハウスにいられる最後の日
ソウマはコニーと同い年だからか、仲がいいのは知っていただからこそ胸が苦しくなる俺は“真実を知っているから”だ
ーどうして?変わることなく見えた笑顔は
どうして?寄せる波に隠れてしまうの?
またおんなじ歌を歌うたび あなたを思うでしょう
レイ「……(聞いたことない歌だけど一人になるといつもこの歌うたってるよな)」
ー信じてみる 信じてみる この道の果て
手を振る君を信じてみる 信じてみるんだこの歌は私の歌と
やがて合う君の呼ぶ声と〜♪
この曲の歌詞は、今のソウマの気持ちを表しているみたいだった
切ない歌 海のことも表現しているみたいだけど
ソウマは、海を見たことがないはず…それにどうしてこんな曲を歌えるんだ?
とたまに疑問におもうことがある
ー信じられる?信じられる?あの星明かりを 海の広さを
信じてみる 信じられる?夢の続きでまた逢いましょう 暁の耀く今日に
まるでコニーの別れを惜しんでいるかのような曲調
穏やかで高い歌声に耳を傾ける
信じられる? 信じられるあの星明かりを 海の広さを
信じられる? 信じられる?夢の続きでともに生きよう
暁の輝く今日に
空に手を伸ばし悲し気に笑うソウマは不謹慎ながらも綺麗だと思った。
ソウマは6歳にしてはかなり頭がいい
それだけじゃないかなりの記憶力がいいんだ…だから体調がいいときに本を読んだりして勉強しそれを吸収する
中身が大人なんじゃねぇかって思うくらいに、俺たちより頭がいいときがある
今までフルスコアじゃないのが不思議だったくらいだ
そして、歌をつくる才能もある
みんなの心を癒す才能…大げさに言うのかもしれないが病弱でなかったら他にもいろいろな意味で戦力なりそうだと考えるほどだった
レイ「……初め聞く歌だな…お前が作ったのか?」
「…ん?うーん、そうだね頭の中に浮かんだから(前世で覚えてたから)歌ってみたの!
殆どがベッドの上で過ごしていたから…歌詞を考えるのが(前世で覚えてた曲を忘れないように書くのが)好きになってた!」
レイ「お前ひとりの時にもたまに歌ってるもんな…」
「えっ、聞かれてたの?恥ずかしい///」
レイ「お前の歌声はみんなを癒すからもっと歌っていいんじゃねぇの?…俺も好きだしボソッ)」
俺は恥ずかしさに最後は小声で言った
首をかしげて顔を近づけるこいつはとても可愛い妹だと俺は思う
「えっ?最後なんていったの?」
レイ「な、なんでもねぇよ!それより、ほかの歌はねぇの?」
「…っ!あるよ…みんなが来るまで歌ってもいい?」
レイ「おう」
-そう、思えば いつも僕は無理に笑ってた
強がってた 気を張ってた 涙こらえてた
Cry Bay 今日は我慢せずに 泣いてみな 思いっきり
洗い流してみれば 素直になれた
ふいに俺の複雑な心情を見透かしているような歌詞にドキッとして思わずソウマの顔を見た
そんなことを知らずに楽しそうに歌い続けた
ー何をやっても 何度やっても思い道理にいかない世の中よ
強がっても 成功はゼロ うまくいかないの 心不安定よ
そんな時こそ立ち止まり 一目気にせずに泣けばいい
強がりを捨てよう ありのまま 弱さを見せるのを怖がるな
俺を励ましてくれるような歌詞に俺のもやもやとした複雑な感情という名の霧は少しずつ陽だまりに照らされて払われたような気がしてきた
悩みないようなあの大空だって いつも冷静じゃないよな
雲で覆われるときもあり 晴れかと思えば 時に土砂降り
僕たちと同じ そうさ泣くこと 恥ずかしいことじゃない
泣いた後は そこに 光差す あの大空のように
これからどうするべきか本を読みながら作戦を練ってた
今までの7年を無駄にしないように…
同期組を助けるには…どうすればいいか作戦に抜かりはないかほかにいい方法はないか常に本を読み、知恵を蓄え続けてきた
その間にも俺たち以外の年下の兄妹たちが“犠牲”になっていくのを俺はただ見捨てるしかなかったのだ…
どんどん俺の中に課せられる罪の大きさにいつの間にか重りになっていたのかもしれない…
そう、思えば いつも僕は 無理に笑ってた
強がってた 気を張ってた 涙こらえた
Cry Baby 今日は我慢せずに 泣いてみな 思いっきり
洗い流してみれば素直になれた
俺の頬に流れる冷たい何かが伝っていくの感じた
いつの間にか歌い終わったのかソウマの顔が近くにあって驚いた
「…レイ?泣いてるの?」
レイ「っ?!…な、泣いてねぇよ…」
俺は泣いていることに初めて気づいた
ソウマから背を向けて涙を乱暴に拭って心配するように「大丈夫?」と首をかしげているあいつを見て「大丈夫だ」と告げると「よかった」と笑顔になる
俺はらしくもなく、顔を赤くしてそっぽ向いた
それをみていたのか子供たちがいつの間にか数人こちらに向かってた
どうやらノーマンに捕まったらしい
半分くらいはもう捕まったのか…流石ノーマン早いな!
フィル「あぁ〜ソウマとレイがイチャイチャしてる!」
「「してないよ!/してねぇよ!」」
ギルダ「ソウマの歌声が聞こえたからいいなぁ〜って思ってたんだ!みんなが戻ってくるまで何か歌ってくれない?」
「えっ?うん、いいよ!!」
レイside end
みんなが集まって明るい歌がいいというのでノリがいい曲にしようと目を閉じて口ずさむ
泣き止んだ 雲の間から覗く太陽
日差しのスコール 慌てて首を上げる向日葵
水たまり 飛び跳ねた君が振り向いて
笑顔こぼしながら ほら 僕の名前 呼んでる
みんなが、楽しそうにユラユラと横に揺れ始めるのをみて
また口角を上げながら歌う
たまらず右腕 掴んで 駆け上がった坂道
追い風が背中を押してくれる
抱きしめたい この夏をぎゅっと
そばにいるからね 僕がずっと
陽だまりよりも眩しいんだ 横顔にきらめく雫
二人なら追い越せる 蜃気楼の向こうに見えるtomorrow
聞こえてる?僕の鼓動
歌い終わるというタイミングで最後にドン・コニーがやってきた
残りはエマだけ
「やっぱり、最後はエマが残ったね!レイ」
レイ「…そうだな…でももうすぐ来るだろう…」
レイの言った通りエマが、ノーマンと一緒にやってきた
エマがうつぶせになり地面をたたきながら悔しがっていた
エマ「また捕まっちゃった〜!なんで!?悔しい!!」
それをノーマンは困ったように座りながら見ていた
レイ「問題、ノーマンにあってエマにないものは?」
エマ「うーん、計画性?落ち着き?圧倒的頭の良さ?」
レイ「……戦略だ」
エマ「ん?」
レイ「確かに単純な身体能力ならエマのほうが上だろう、だがノーマンとソウマはここ(頭脳)が強い…半端ない…鬼ごっこはまさに戦略を競う遊びなんだ」
エマ「…鬼ごっこが?」
レイ「体をフルに使ったチェスみたいなもんだ…そうだろう?ノーマン」
「しかも、なんで私も入ってるの?」
ノーマン「確かに最近のソウマはかなり、頭がよくなってるからね、うかうかしてるとソウマに追い越されちゃうかもよ?エマ」
エマ「えっ?!なにそれ!それは嫌だ!!」
「嫌なんかい…汗)」
小声で突っ込みを入れる私。
ノーマン「それに、レイのほうがずっと策士だよ」
レイ「買い被んなよ…」
エマ「…敵の手を読むってことか…」
ノーマン「でもママに比べたら僕たちはまだまだ、ってところだね」
エマ「たしかに、私たち一度もチェスでママに勝ったことないしね〜」
お互いに笑いあった、そして負けず嫌いなドンが再び勝負を挑んだ
今度はみんなが鬼で、ノーマンが逃げるという何とも凄いルールを提案してきてみんなが「せこっ!」と叫んだ
そして平和な一日は夕方になり終わりを告げる
夕飯を食べて、コニーに別れを告げる時間がやってきたのだ…。
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