これはうんめいなのでしょうか









柴浦さんは、初回のあれこれは省けないと言っていた。
それは、初期刀である彼の為でもあるから、と。
だから初めての出陣を一人で行うことは、避けられないらしい。



それは仕方ない事だ。陸奥守の為になるのなら、と彼を一人で出陣させた。







私は、思っていたよりもまだ心に余裕が無かったらしい。


傷だらけで帰って来た彼を見て、前の本丸の彼がフラッシュバックした。
頭が真っ白になって、呆然としてしまう。
こんのすけの、審神者様、という声で漸くハッとした。


こんのすけが用意してくれた手伝い札で手入れを終わらせると、鍛刀をする事になった。
この流れももう2回目だ。
最初は固定で、all50で回す。誰が来るのだろう、なんてぼんやり考えていた。



こちらも手伝い札で時間を短縮すると、目の前に短刀が一振り現れた。
まだ何も特徴の無い黒塗りのそれを手に取ると、パァッと光を放って形が現れるのが判る。
その見覚えのある形に、まさか、と思わず呟いていた。



「僕は、五虎退です。あの……しりぞけてないです。すみません。だって、虎がかわいそうなんで」




鞘から抜いた途端、舞い散る桜の花びら。


ふわりと目の前に現れたその姿は昔の私が言われるがままに
初めて鍛刀したあの子で、私は目の前が見えなくなってしまった。

ああ、また泣いてしまった。そう思ってもやはり止まらない涙を
なんとか堪え、彼に向き合う。心配そうな瞳が揺れていた。



「私は無明、ここの審神者です。あなたは私の初短刀。
五虎退、これからよろしくお願いします」



はい、主様!そう言った彼を思わず抱き締めた私を陸奥守は優しく
見守ってくれていて、また私の世界に色が少し戻って来たように感じられた。




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