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お礼がしたい、と告げた私は、次の瞬間、空条さんに押し倒していました。

「…く、じょう…さん…?」
「礼がしたいんだろ、俺に」
「それは、……ッ?!!」



頭が真っ白になりました。そんな間にも空条さんは私のおっぱいを大きな手で鷲掴みにし、指で押し込んだり、手の平全体で揉んだりしています。

離して!と、私は空条さんの逞しい腕を掴み、精一杯の抵抗をしました。そんな抵抗も虚しく、舌打ちをした空条さんは私の腕をきつく掴んだかと思うと、自身のズボンを留めていたベルトを引き抜き、私の腕を固定しました。
抵抗も許されないのだ、と理解しました。そこで、私の脳は、この行為の正当性を必死に探し始めます。




まず第一に、私が空条さんに対しお礼がしたい、のであれば、空条さんが望んでいるこの行為は正当性があると言えるでしょう。
次に、空条さんが現れなければ、あの大学生集団に、私の処女は散らされていただろうことは明確。ならば、助けてくれた空条さんに処女を捧げる、というのはなんだか王道な恋愛モノのようではないか、というロマンチックな正当性。

最後に……こんなことになった原因である、あの焦燥感も、性交をすることでなくなるとしたら。性交をすると脳細胞が破壊され馬鹿になる、なんて俗説を信じるわけではないですが、この代わり映えのない日々、何かに終われているような焦燥感に疲れ切った私には、とても魅力的に感じてしまいました。



頭がぐちゃぐちゃになっている私は、空条さんの次の一言で、現実に戻されました。

「なあ…乳首、立ってきたぞ」
「……、っ」

私は恥ずかしくなって、違う、と声には出さず、顔を横に振りました。そうすると、空条さんは私の乳首を擦りました。

「ぁ…っ」


その瞬間、私の身体は跳ねました。恥ずかしいので、声を出さないように下唇を噛んでいると、何故か空条さんはばつの悪そうな顔になり、

「…悪ィ」

と、一言告げ、手を離そうとします。ああ、本当はとても優しい人なんだな、なんてぼんやり思いました。

「空条さん…謝らないでください。 続き…してください」










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それから私は、空条さんに抱かれました。どんな風に、なんて恥ずかしい話は割愛しますが、絶頂を経験した私に、纏わり付いていたあの焦燥感は、少しだけ減ったような気がしたのです。


初めての快感に脳が耐えきれず、私は意識を失いました。
気が付くと、空条さんが私の隣で煙草を吸っていました。その横顔がとても扇情的で、見とれてしまいました。
私が目が覚めたことに気付くと、空条さんは灰皿に煙草を押し付け、「…悪かった」と、ぼそっと呟きました。

「何故、謝るんですか?」
「何故って…」
「先程の性交は合意の上の行為です。なので、空条さんは犯罪を犯したわけでもなんでもないじゃあないですか」
「…俺はお前を無理矢理抱こうとした。それは事実だ」
「私が受け入れたのも、事実ですよ」

私が空条さんを真っ直ぐ見据えると、その瞳の光が揺らめいた気がしました。迷いを湛えた光のようです。

「私が、空条さんを受け入れたのは、抵抗することを諦めたからじゃあないですよ」
「………、」
「理由、話しますけど、笑わないで聞いてくれますか?」
「…ああ」




私が先程性交の途中で考えていたことを話すと、空条さんはふっ、と笑みを溢しました。

「お前、意外と乙女っぽいところがあるんだな」
「…笑わないって約束したじゃないですか」
「ふ、…悪い」

拗ねた私が顔を背けると、空条さんは頭を撫でてくれました。私はそれが気持ち良くて目を細めます。
……そういえば、最後の理由は話せなかったな、なんてぼんやり思いましたが、私の醜い部分なので、言わないで済んで良かったのかもしれない、と考えているうちに、再度微睡んだ私は、そのまま朝まで空条さんのお布団で寝てしまいました。






「おい、起きろ」
「……う、」
「朝だぞ、名前」
「………っ」

空条さんの声が私の名前を呼ぶので目を開けると、窓からの光がとても眩しく、慣れるまで視界は真っ白でした。
慣れてくると、目の前には空条さんの立派な胸板が目に入りました。昨日は部屋が薄暗かったのと、涙が溜まっていたこともあって、よく見えなかったのですが、こうもはっきり見えると、なんだか照れてしまいます。





「…あの、空条さん」
「……承太郎だ」

抱かれてから相手の名前を知るなんて、なんて滑稽なんだろう、と私は可笑しくなってしまいました。

「ふふ、承太郎さん、ですね」
「…ああ」
「では、承太郎さん。改めて、なんですけど」
「……」





「もし、承太郎さんが嫌でなければ…
 また、抱いてもらえますか?」


私の一言に、承太郎さんはとても驚いたような表情を見せたのでした。


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