「ニカ!」
パンクバザードから共にするようになったクルーの出身である地域はエルバフ同様に太陽の神を祀っていたらしい。らしいというのも彼女が生き残った種族であるらしく、運悪く政府の前にジョーカーであるドフラミンゴに捕まってパンクハザードで実験させられていた。
その後、ドレスローザに一行で向かったがサニーを守る組だったサンジたちと一緒に先にゾウに向かっていた。ゾウで再会を果たしてもすぐサンジ奪還のために万国に向かってしまい、そこで再開した自分の種族のひと家族がいて無事なところまで連れていくとジンベエと共に消えてしまった。
久しぶりに会えたのはワノ国でジンベエと合流したあとの鬼ヶ島だった。ジンベエよりも短く薄い繋がりしかないクルーはジンベエよりも新参者という感じがした。きっと他のみんなも思ってる。
ワノ国で白くなったルフィをみて、みんながハテナを浮かべてのに青い屈折のある目を輝かしながら涙をこぼしていた。それからルフィのことをルフィとは呼ばずに、ニカと呼ぶようになった。
「だぁかぁら、俺はニカじゃねぇって」
少し鬱陶しそうに言うルフィに笑って、探してたんだ。そう呼ばしてほしいと告げていた。ルフィはあだ名だと言うくらいで気にもしてなかったが、やはり名前で呼ばれたそうにはしていた。
船の上で聞かされたルフィの夢の果て。みんな呆れたり笑ったりしてるのに、クルーだけは固まって涙をこぼしてる。一悶着あってからみんなで駆け寄ればどうも自分達に受け継がれる意思と同じだそうで。やはり君についてきたのは間違いではなかったと大泣きするもんだから焦った。ルフィはそれを見ながらニッシシと笑っていた。
エッグヘッドでDr.ベガパンクの白いルフィを見つけた時の質問にも臆することなく
「ニカだよ。太陽の神。ここにいたんだ」
なんて心から嬉しそうに告げる。黄猿や五老聖なんて世界最高権力で騒がしいとき、五老聖に見つかった宝石眼のクルーを助けたりとわりと忙しいかった。
「ああ、このリズムだ・・ずっと待ってた!」
ルフィが変身するとどことなく轟くこのドラムをクルーは人一倍嬉しそうに聞いていた。
ニカというのを知っているのか、ボニーも嬉しそうにルフィに笑いかける。彼女の能力として「ニカみたいな未来」になったボニーと共に船で逃げる。途中現れた大型なロボットにルフィが1人で会話していて。そのうちクルーがロボットに向かって何やら叫んでいるが聞き取れなかった。種族オンリーの言葉だろうか。
巨兵海賊団に救われてそのままエルバフに向かう。途中ルフィたちと逸れたが宴にはみんなで向かうことができた。その前にロビンの大切な人に再会を果たして、みんなで涙したのは大事な思い出だ。
神の騎士団が襲ってきてルフィがロキの変身と一緒に白くなってと大変なことがたくさんあった。
その後もエルバフ出た後もその後も大変だった。いつだって大変だったが、今も大変で。一味総出でなんとか、なんとか進んでる。
「ニカ!!」
クルーがルフィを呼ぶ。白くなったルフィ。青い光が止まらない不思議な紋章を身体中に浮かび上がらせたクルー。白い髪の毛にはその光が反射して晴れた日の浅瀬を思い出す。
「やってしまえ、ニカ!!君の、自由だ!!」
解放しろ!!と叫ぶ。
短いながらもクルーはクルーで仲間に打ち解けて助けてくれて、滅びる番がそこまできてるのに仲間が大変なら自分が身代わりになるような。大怪我してチョッパー困らせて、サンジの飯うまそうに食って、ナミの海図の手伝いして、ロビンの考古学に自分ができることがあればと質問に答えて、ブルックに音楽を教わって、フランキーの作成を眺めて、ゾロの手合わせして、ウソップガーデンを一緒に育てて、ジンベエに魚人のこと聞いて、ルフィのために心臓含めた全てを投げ打つようなやつだから、無茶をする俺らが無茶するなと怒ることが増えた。
仲間がいなかったはずが仲間が増えて嬉しいと夜みんなで酒を飲んでる時に酔いがまわって鼻を赤くしながら笑って呟いたクルーにみんなで飛びついたのは最近の記憶のようで遠い記憶のように思える。
「ニィカァ!!!」
相変わらず謎のあだ名で呼ぶけど、薄々みんな伝わってて。なんならきっとロビンは一番よくわかってる。
ワノ国まで一緒だったハートの海賊団もキッド海賊団もクルーの不思議な見た目と力には魅せられてて。シロクマを連れた彼がクルーに何か話してるのを遠目に見た気がするがよく覚えてない。
曇天に差し込んだ光が雲を裂いていくように広がる。厚い雲の向こうには夜明けが広がってて、青く澄んできた空が見える。雲の向こうは青空なんだなとわかっていたけどわかってなかった。
「夜明けだ!!」
クルーが相変わらずボロボロになりながら叫ぶ。
「世界は夜明けを待っている!!いけ、君の声をみんな望んでいる!!」
夜明けの空に浮かぶ白いルフィに向かって吠えるように叫ぶ。
「ゴムゴムのォ・・・」
グィーンと伸びた腕が空に解き放たれる。
「JETっ」
腕を武装色の黒に染める。
「銃乱打!!!」
連打するムチのような腕。雨のように降っては止まって渾身の一撃だと構え
「JET・・銃!!」
ゴーンと空島にあった鐘が鳴ったような重いが響く音が空に轟いたような気がした。
疲れ切ったルフィ。みんなで取り囲んで安否を確認。生きている。それを確認してみんなで泣いて泣いて抱きしめた。
浅瀬色の髪は白くなり、光り輝いていた瞳は落ち着いた。身体中の模様は消えない。ルフィに近寄り落下中に拾った麦わらをルフィに被せる。
「夜明けだ。ずっと待ってた」
涙ながらに話す。クルーの念願だった日が今日であるように、感謝と感動と嬉しさと色々と混ぜあった瞳は屈折で様々なアオを魅せる。その瞳を見て、ルフィはニッシシと笑う。それを見てクルーも笑ってこう言うんだ。
「やはり、君が海賊王になるべき人だ。ルフィ。世界は君を待っていた」
幾度と呼べと言われた名前を今久しぶりにクルーの声で聴いた気がする。それを聞いたルフィは少し固まってすぐ太陽のような笑顔をする。
クルーのいう世界とか夜明けとかまだよくわかってないが、ルフィが海賊王になる人であって、男であって、世界中にいるルフィの拳で助けたやつらが待っている。それだけは本当だ。
クルーも含めて抱きしめあって、あまり入ってこないゾロもサンジに巻き込まれて輪に入っていた。我らが船長が海賊王になる夜明けは近い。どうか、その後の夢が叶うよう。夜明けにまだ見える一番星に願う。