奥さんとヘアターバン





化粧を落とす時、うちの妻はヘアターバンをする。ヘアターバンは俺も顔を洗う際借りることがあるので、ほぼ共用だ。
こんなどうでもよすぎる話冒頭でするにはわけがある。聞いてほしい。

「猫耳は可愛いな」
「零くんどうしたの?スーツ脱がないの?」

脱ぐさ、脱ぐに決まってる。脱ぐに決まってるのだが、如何せん嫁の猫耳ターバン姿が可愛すぎるのだ。最近新しく買ったとは聞いていたが。まさか仕事終わりに帰ってきてみれば新しいソレで迎えられた俺の気持ちがわかるだろうか?
最愛の嫁 最高に可愛い 世界一可愛い
これに猫耳なんてきたら俺が悶えないわけがないだろ?最近すごく名前のことに対して壊れてきている気がするが、大丈夫だ。これが正常です。
ソファーに座る名前の横に自分もどすんと座って名前の方へ向き変えた。名前も 何何? と言ってこちらへと向きを変えてくれた。近くで見る猫耳(ターバン)の名前に本能のままギュッ、と抱きしめた。

「お風呂は、まだか?」
「まだだけど...臭う?」
「いいや、香水の匂いがする」
「良かった。零くんは零くんの匂いだね。大好きな香りがする」

もーーーーーーーーうちの嫁可愛すぎるなんなんだこの生き物は!可愛すぎるじゃないか!なんだよ俺の香りって!ああああ好き、好き大好き、愛してる!
口に出すことなんて流石に出来ないから抱き締める腕に力を込めて伝えてみる。名前の首元にキスをいくつか落として、今日の疲れが全て吹っ飛んで言ったような気がする。
この甘い香りさえ、すごく愛おしい。

「零くん、どうしたの?なんか甘えたさんじゃんか」
「名前の猫耳が可愛い、世界一可愛い」
「零くんがらつけたらもっと可愛いよ」
「主役は俺じゃない名前だから」
「わかったから、スーツ脱ごう?」

シワになっちゃうよ、と名前が小さな手で押し返してくる。しかし俺は離れる気無しで頑なに離れない。今日は書類の山が聳えたってたのを小さくして帰ってきたからこそ、疲れてるしなんならこのまま眠りたいほどだった。あと名前がたまらん、柔らかくて落ち着くのだ。

「離れたくないな」
「待って、お風呂入ってないからまだ汚い」
「お風呂なんかよりもこのままでいたい」
「......零くん、お風呂一緒に入ろ?」
「風呂掃除するかー!」

割れながら随分と現金な人間だと思った。決まれば風呂を洗って、お湯を張って2人で浸かって......

「お風呂は掃除してあるからあとは栓するだけだよ」
「それなら、時間があるな。名前、シャツ脱がせて」
「何言ってんの、自分で脱いでよもう」