ありきたりな日常

月火水木金金金 7:30出社23:00退勤

立派な企業戦士を務めているせいで晩年寝不足による隈は耐えず、肌は荒れまくりである。肩こり・腰痛・眼精疲労の3重苦とは入社1か月目からお友達。先輩は頭痛・膝痛5重苦をかかえている。
私が人生2回目だから我慢できているけど、初回だったら我慢できなかった。
頑張れ尋音。私はできる子。私が挫けることは絶対にない!

「なんつってー」
どこかで聞いたことのある名言を心の中でつぶやきながら、携帯の時計が20時をお届けしているのを確認する。
コーヒーをおともに今日も今日とて書類作成を行う。

「しっかし本当に全国、世界各国とびまわるし、私有地破壊しまくってんなぁ」
提出された書類内容を確認しながら、適正金額であるかの確認、計算を行っていく。
育ての親であり恩師である祖父に勧められる形で入社したここは、表では私立の宗教系学校ということになっているらしい。実は都立の公的機関という落ちだが、表向きの立場のおかげて宗教活動で得たお金は税金がかからず、信者さま方からの"お気持ち"による莫大な資金があるのだ。収入源は公的にありながらも。
公的機関なの?学校法人なの?宗教法人なの?脱税なの?グレーゾーンなの?
そんな疑問を持ってして死に物狂いで業務をさばいていた入社当初が懐かしい。

祖父がこの組織に関与していたコネで携わることになったが、如何せん詳しい説明もなく入社誓約書にサインをさせられた後、即日馬車馬のように働いている。
ぽろりぽろりと周囲からこぼれる単語から、割と危ない業界に関与していることは理解しつつある。
詳しく聞こうとも、答えてくれよう祖父は鬼籍に入ってしまい、周囲は殺気をふりまき血眼にしながら1秒を惜しみ働く社畜しかいない。

ふーーっと深く息を吐きカフェインを一口飲みこみ、どうせ緊急変更になるんだろうけど、と「五条 悟」の出張届と出張経費見積書の見直しを行っていく。時刻は21:30を回った。
これが私の今回の人生のありきたりな日常である。つらみ。

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主人公は公認会計士。呪術高専が監査法人という世界軸の設定。

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