「美味しかったねー!」
「満足したか?」
「うんっ!特にあの限定ケーキは、ホントに美味しかったよ!」
帰り道、今にも飛び跳ねそうな勢いの名前に新一は小さく吹き出しそうになるのを必死に堪える。
「ねぇ、どうしてあの店に行きたいって分かったの?」
「ん?あぁ、蘭と園子から聞き出したんだよ。オメーが隠すから何かと思ってな。」
「だって…。…っ!」
不意に頭に乗せられた大きな手に、名前が目を見開いて新一を見ると、とても優しい笑みを向けられていて胸が高鳴る。
「分かってる。俺の事考えて遠慮してたんだろ?もっとワガママ言ってくれても良いとは思うけど、オメーのそういう所も、俺は好きだぜ。」
「新一……ありがとうっ。」
「……寒いかもしれねーけど、ちょっと寄ってかねえか?」
そう言って通りかかった公園を指差す新一の横顔が、寒さのせいかほんのり赤く見える。
「うん。プレゼント渡したいし。」
恥ずかしさから小さくなる声もちゃんと拾ってくれる新一は、じゃあそこのベンチだな、と言って名前の手を引いた。
「すげえ暖かい。ありがとな!」
貰ったマフラーを早速首に巻いた新一に、名前も嬉しそうに笑う。
「私こそ、こんな可愛いお財布ありがとう!」
帰ったらすぐに入れ替えるんだー、と言って箱にしまった名前は、突然包まれた温もりに驚いて声が出ない。
「名前。オメーが上手く甘えられなくても、俺が気付いてみせるから…ずっと俺の側に居てくれ。」
「っもちろんだよ!私は、もう新一が居なきゃ生きていけない位に大好きなんだもん。だから…新一もワガママ言って?」
背中に腕を回してギュッとしがみつきながら言うと、新一は優しく頭を撫でてくれる。
そして少し体が離れると、頬に新一の大きな手がそっと触れる。
「じゃあ……ワガママ、良いか?」
「うん…。」
近付く顔に早くなる鼓動を感じながら、そっと目を閉じる。
優しく重なった唇がゆっくり離れ、そっと目を開けると、視界は近くで微笑む新一でいっぱいで、嬉しさで胸がいっぱいになる。
微笑み合ってからもう一度重なった温もりに、2人共周りの寒さなど忘れ去っていた。
初めての大好きを君に
「一応言っとくけど…まだまだ初心者レベルだからな。」
「えっ?!キ、キスにレベルなんてあるの?!新一と違って慣れてないもん、ドキドキして死んじゃうよ…。」
「バーロー、俺だって初めてだっつの…。」
「嘘っ?!」