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「さて、カミサマのお使いとしては、この世界の境界線的な役割を持っている薄い壁の補修ってことだけど…実花さんはその具体的な場所など分かりますか?」
そう。彼女たちはカミサマから『お使いよろしく〜』と頼まれて必ず行く事になるわけだが、その具体的な場所についてはカミサマにもいろいろと守秘義務や何やかんやと所謂“オトナの事情”ってのがあるらしく教えてもらえないそう。
そのため現地の人々に教えてもらわないといけないのだが…
「ごめんなさい…私にもはっきりとはわからなくて…」
「そうですか…」
このように手がかりがほぼ無い事もあり得る訳だ。
「ちっ。カミサマー?それぐらい教えてくれてもいいんじゃ!?」
「ゆ、夢花…チカラ使って軽くでいいから調べることできる?大体の場所だけでいいから。」
「いいけど詳しい場所とかどうするの?」
「詳しい場所は私が調べるよ。移動するのは…。」
「それなら私がやりましょうか?少しくらいの距離ならできると思いますので…。」
「えっ。実花さんそんなこともできんの!?確かあんたのチカラって予知とかじゃなかった?」
「まあ、ざっくり言えばなので、正確に言うと空間をいじるってのが正しいと思いますよ?」
「ほおー…。」
実花の能力を詳しく教えてもらいさて調べようと意気込んだ瞬間、三人の目の前は白く光っていき目も開けられないほど光ってきた。
「このタイミングー!?」
まさにこの夢花の言っている通りだと思う…。