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『やっほー!どう?調子は?』
と何処かにいるアイドルの挨拶みたいな言葉とテンションで質問したカミサマ。しかし運が悪かったのであろう。
「そのテンション何…。」
カミサマなのに軽くキレられるということになってしまった。
『ごめんって!ただね、何もなくて呼んだってことじゃないんだ!』
「なんなんですかその理由って。」
そう軽く投げやりな感じで花楓が質問すると、無駄にテンションが高いまま、
『さっき話してた事についてだよ!場所がわからないって言っていたでしょ?だから手間が省けるように頼んできたカミサマに大体の場所を聞いてきたよ。』
「「「おおー!」」」
「カミサマグッジョブ!」
そう夢花が言えば、花楓は
「それ出来るならもう少し早く情報として欲しかったんですけど…」
と言う。
「花楓さん…。まだ情報あるだけいいじゃないですか?」
と実花は言った。
そんな状況になったときカミサマの反応というのがこんな感じの反応だと思っていなかったからか、少し落ち込んでいた。
そして漫画みたいに膝と両手をついて落ち込んでいる様子を見て三人は暢気に笑っていた。
『そんなことよりさ、今気が付いたけどよくここに来れたよね〜。前橋実花さん。』
「えっ!今更ですか!?カミサマもしかして今気が付いたとかないですよね…?」
『そ、そんなわけないよ。多分…。』
「多分ってなんなの?カミサマだからハッキリさせなさいよ〜。」
『カミサマだからってどういうこと!?意味が分からないよ!』
「そのまんまの意味。」
『えぇー!?』
こんな感じで実花が「元の目的どこ行ったの!?」と突っ込むまでこの花楓、夢花姉妹によるカミサマイジりは続いたらしい。
カミサマ…。ご愁傷さまです。
『ナレーターまで見捨てないでよね!?』
ま、まあ。悪ふざけが過ぎましたかね。気を取り直してまいりますね。変わらず進むとは思いますけど。
そうして彼女らに場所の事について話したカミサマは忘れてたというようにしてもう一つ話をし始めた。
『そうだ。結構前かなんかにここの世界を直せる人を送ってほしいって僕に頼んできたカミサマがいるって話したのは覚えてる?』
「そりゃ覚えてますけど何かあったんですか?」
『そこまで重大にするべきではないのかもしれないけれど、今彼の行方ってか彼に連絡が付かないんだ』
「それって大変なことじゃん!どうするのよ!」
『まあ、とりあえずは他のカミサマにいませんかって聞きまわったり、探すのに協力してもらったりかな?』
「まあいいですけど、一応探してみといてってことですよね。」
『おっ!花楓さん理解早いね〜』
「理解早いね〜ってことではないと思いますけど…。まあ軽く探してみますよ。」
『ありがとね〜よろしくー。』
そんな感じで話していた時に実花が恐る恐る手をあげて質問した。
「あ、あのー。私がいる世界のカミサマがいなくなられたのですよね?」
『そうだね。』
「もし、もしの話ですけれど、このままいなくなられたままだとしたらどうなるのですか?」
そう。この中で唯一いなくなってしまったカミサマの世界の住人である実花は心配そうにそしてどこかに恐怖を見せるような表情で質問した。
『もしいなくなったまま帰ってこなかったらってことだよね?カミサマの仕事って、自分たちの管轄の世界の管理をすることなんだよね。その所謂管理人みたいな立ち位置である僕らがいないと世界がうまく働かなくなっちゃうんだ』
そう言われて、少し怖くなってしまう。しかしやるしかないと覚悟を決めたからか、顔つきが少し変わった。
『じゃあ、あとよろしく頼んでいいかな?』
「おっけい!」
「わかりました!」
「やるしかなさそうですしね。」
『ありがとう、三人とも!そしたらよろしくね!僕も僕で好物とか情報頑張って集めておくね』
「あざーっす!んじゃ一発頑張って来ますから!」
そう言って彼女らはこの空間から戻っていった。
しかし、この空間に残っているカミサマの表情はどこか影があり、何かまだ心配事があるように見える。
『なんか嫌な予感がするんだよね…。何もなければいいけど。』
そう呟いてカミサマはまた彼女たちが今いる消えてしまったカミサマの行方を調べるために、普通の人間が見るとただの白い空間だがカミサマから見るとある部屋になっているところへと入っていった。