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「ただいまー。お姉ちゃんいるー?」
家に帰ってきた夢花が玄関開けてまずすることは姉の所在確認だ。
「いるよー。夢花お帰りー。」
姉の名は市川(いちかわ)花楓(かえで)。彼女も夢花と同じく能力持ちである。
彼女は夢花と同じく“異世界を旅することができる”能力と、“紙などに魔法陣を描き魔法を使う”能力を持っている
。彼女も副作用は起こるが、夢花よりは軽い。主にめまい、吐き気などの症状が出る。そして、周りに気を使い、空気が読める人である。
なぜ夢花が家帰ってきたときに姉である花楓の所在確認している理由は“カミサマ”は気まぐれで、よくどちらか一方を呼び出すことも少なくないからだ。
なぜ呼び出されるのかは本人たちにもわからないし、どれくらい呼び出されて別の世界に行っているのかもわからない。
“カミサマ”とは気まぐれな人である。…人でもないかもしれないが。
そんな感じで二人仲良く姉妹での時間を過ごしていると、頭の中で誰かの声が響くように声が聞こえた。
『やっほー。げんきー?』
「…カミサマですか…。そのハイテンションっぽい言葉遣いどうにかなりません?」
「まあまあ、夢花落ち着いて?んで、カミサマいったいどうしたんですか?こんな時間にあなたが話しかけてくるのは珍しいような…」
『あれ?そんなに珍しいかな?そんな感じはしないけど…ってごめんごめん話しずれちゃったね。』
「あなたがずらしたのでは?ハア…まあいいです。んで、本題どうぞ。」
「夢花…。カミサマも気を付けて下さいよ?」
『わかってるけどねー…なかなか難しくて。それは置いといて、本題行くよ?今度そろそろ連休あるでしょ?君たち。その連休使うとかなんかしてある世界に行ってくれない?』
「またっすか…今度は何があるんですか?カーミーサーマー?」
「夢花、その言い方はだめだよ。でも、今度は何があったんですか?結局そこもあなたの管轄なのでしょう?」
『花楓も結構言うよね…。まあ、正確に言うと僕の管轄と言うより、僕の弟的な存在の管轄なんだよね。だから、もともと彼がいつも頼んでる人に言っていたんだけど…。』
「えっ!私たち以外にもそういう人が居るんですか!?いること知らなかったんですけど…。」
『ご、ごめんね、花楓。言っていたと思っていたんだけどね…。まあ、そうやって頼んでいたんだけど、なんだかねー。頼りないって言ったら悪いかもしれないけど、あまりうまくいかなかったんだよねー。』
「そ、それは…。」
「なに?あほだったの?それともただのヘタレ?」
「ちょ!夢花言い過ぎだって!」
『んー両方かな?あたふたしているし、あまり深く物事考えられなかったみたいだもん。』
「カミサマも!正直に答えなくてもいいんですよ!もう…」
『まあ、そんなわけで泣きつかれちゃったんだよね…だから君たちに頼もうと思って。』
「いいですけどなんかあるんですか?あとやることは?」
『あとはね、…………こーゆ―ことなんだよねー。』
「「へえーー」」
こんな感じでカミサマと花楓、夢花姉妹が話していくと同時に異世界の旅の計画はどんどん進んでいっていた。