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一方でカミサマは何をやっていたのかと言えば、基本的に彼女たちの様子を見ていたが、カミサマといえども自分たちで言ういわゆる事務作業をやらなくてはいけないから、それを必死で片づけていた。
『終わらないー…。何でこんなにあるのー…。』
『簡単なことですよ。彼女たちのことばっかり見たりしていたら事務作業がたまっていくのは当たり前です。それくらいわかってた事でしょ?』
『そうだけどさー…。』
『まあ、ひとまずはここにある書類とかを終わらせたら彼女たちの方しばらく手伝っていても大丈夫ですから。』
『本当に?少しして何かがここまでだからー…。ってならないよね?』
『まあ、急ぎで何か急なことが来ない限り大丈夫ですよ。』
『よし!んじゃいっちょやってやりますかぁ!』
そう。彼女たちがコントなのか、戦う前なのかと色々話していた時にカミサマは事務作業をやり、彼女たちを手伝うためにやっていた。
そのとき一つの書類の束から何かを秘書が見つけた。
『ちょっといいですか?』
『ん?なんか間違えてた?間違えたの無いと思っていたけど。』
『いえっ。そうではないんですが、多分これって今彼女たちがやっていることに関係することじゃないですか?』
そういわれた瞬間カミサマはその紙を奪い取るように見て一つため息をついた。
『まさかこんなことになってたとはね。これは早く彼女たちに教えないと要らないことまで起こってしまう…。引き起こさなくてもいい運命さえもね…。特に夢花の方はなんでかはわからないけど自分の運命をしっかりとつかんでくれていて、姉である花楓の運命も離さないのはいいんだけど、なんかつかまなくていいものまでつかんじゃうのはね…。』
『今までにも何人かいましたけど、彼女ほど強い人はほぼいないですもんね…。』
『とりあえず、なるべく早めに伝えないと…。』
『そのためにはまずこの山を片づけてくださいね?』
『…はい。』
そう。カミサマはカミサマで何かを見つけていて花楓らに連絡を取ろうとしていたのだ。しかし、カミサマが書類の山を片づけたのはそれから2、3日後…。敵となっている男たちを夢花が一蹴りで倒した日となんの偶然か、一緒の日だった。