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そうして夢花たちがカミサマからもらった情報などを元に作戦を考えた日からいくつか過ぎたある日。それはいきなり起こった。
「ね、ねえ。なんか変な音しない?なんかドドドッっていうかザザザッっていうかそんな感じの。」
「そう?ちょっと聞いてみるから待って…って、本当に聞こえる…。これって…」
そう花楓が言いかけた時あたり一面が砂嵐に巻き込まれたかのようになった。
「なにこれ!なんかどっかで似たようなことがあったような気がするんですけど!これデジャヴじゃないよね!?」
夢花は少しキレ気味でそんなことを言っていた。
「あの…そんなこと言ってないでどうしますか?この状況。敵の方が攻撃してこないとも限らないですし…。」
そんなこと言っているが、目の前は砂以外何も見えない状況なのである。しかし、この3人。ある程度の時間を過ごしてきたからか、呼吸が合うようになってきたようで…
「とりあえず話していたことやっちゃいますかー。」
「まあ、やることには反対しないけどさ、軽すぎやしませんか?夢花はん。」
「いやいや!花楓さんも口調変わっちゃってますから!とりあえずやるんですね!」
…呼吸が合うというよりコント方面に伸びているような気もするが…。まあ、こんな感じになってきたのだ。
何故こんな感じで話せているかというと、花楓があらかじめ3人の周りに結界みたいなのを展開できるようにしていたからなのである。
そんな中、トラブルメーカーであり、ある種のクラッシャーである夢花が言った。
「よっしゃー!いくよ!プランA発動!」
「「なにそれ!」」
そんなふざけた感じで始まったが、しっかりと準備していたチカラは発動したみたいで…
   ぴゅーっ………ドゴッ!
夢花が出したのは爆発まではいかないが、似たようなことを起こそうとして書いたものを出したのだ。
「これって当たったのかわからなくない?目の前あまり見えないわけだし。」
「あっ。大丈夫だよ!これ追跡機能付きで相手のこと追いかけまわしてどんどん攻撃するようにしたから!」
「…それ結構きつくないですか…?」
「いいのいいの!相手もそれぐらいやられて当然でしょ?私たちを殺す気で来てるんだから自分たちもそれくらいで向かっていかないと!」
珍しく夢花がまともなことを言っていて一瞬静かになった3人。しかし、敵も砂嵐のまま放っておくわけがなかった。夢花の攻撃が相手の方に行った後からゆっくりと砂が無くなっていって相手の顔が見えるようになった。
そこにいたのは仮面をかぶった男。そしてもう1人男らしき人が居たわけだが…。
「…何あいつ。なんでわかりやすいカツラかぶって“私は敵です(ドヤ)”ってたすき掛けてるの…?」
「なんででしょうか。ナルシストですかね?それか、自己顕示欲が大きすぎてこんなかわいそうな感じになってしまったとかですかね?」
そんなことをひそひそとした雰囲気で明らかに相手に聞こえるようにわざわざ言っていたら
「かわいそうってなんだよ!お前らに言う資格ないだろ!大体なんだよ!何が言いたいんだよ!」
「「え?頭おかしいんじゃないの?ってこと」」
そう声をそろえて言った花楓と実花。その2人に言われたナルシスト(仮)は地面に埋まる感じで手をついていた。
「悪い…。俺はもう無理だ…。後は頼んだぞ…。」
「って何やってるんだよ!とりあえず戻れ!」
「ウケるんですけどー!」
…おかしな感じになってしまったこの場。相手のまとも?である方の男が大きな声で話し始めた。
「俺らはボスに仕える幹部であるアジーとベーノだ!お前らをつぶs…!」
話している途中でアジ―の顔に大きめの石みたいなのが勢いよく飛んできた。飛んできた方を勢いよく向くと夢花が立っていた。
「お前…!何しやがる!」
「何って…。攻撃に決まってるじゃん。なに何処かのお話みたいにつらつら話してんの?バカじゃん?」
「夢花がしっかりしてくれた…!」
その場面を見ながら花楓は少し感動していたが、そこは夢花であるとしか言いようがない。顔だけを狙って石を当て続けているのだ。
「ゆ、夢花?何やってるのよ…!普通に攻撃しなさいよ!」
「えー…だってさ、ここはまず顔に当てるでしょ!当ててくださいとばかりにあるんだもん!」
「だからって…!」

―省略―

この後しばらくの間こんなことが続いていました。ので、省略させていただきました。
まあ、一段落してから、しっかりと決着を付けることになったんですね。
「あなた方のこと、しっかりと葬らせていただきますからね…!」
「やれるもんならやってみろ!俺らだって容赦しねえからな!」
そうして始まった戦い。今までの敵より強く、少し戦いにくそうな3人であるが、カミサマも含め作戦を考えていたからか、相手を追い詰めることができた。
「はあ…はあ…ここまで追い詰めたのよね…。」
「とりあえずあんたらの話聞かせてもらうから。あ、拒否権なしってことわかってるよな?」
そんな感じで話を聞こうとした瞬間、どこからか殺気みたいなのが飛んできた。それをいち早く感じた夢花は花楓と実花に対して叫んだ。
「頭下げて!」
その瞬間相手にしていた2人へ攻撃が当たり、頭をあげたら2人の周りには血が広がっていっていた。
「なんなんですか…?いきなり叫んで…。」
そう実花が言いながら夢花の方を見てから敵の2人を花楓と実花が見た瞬間声が出せなかった。
それもそうだろう。先ほどまで生きていたはずなのに死んでいるからだ。
とりあえず3人は死体となった敵の2人を片づけ、カミサマの所へ話を聞きに行く事にした。