2

「早く倒れてくれないかなっ!」
「お前らこそ!こちらにはボスの命令をやり遂げなければいけない理由があるんだ!」
「そんなの関係ないでしょ!いいから!早く!」
お互いに言い合いながら攻撃をしていっていた。最初の方にいた彼らの下っ端らしき人たちは早々に倒れていってしまっていた。
「こんなことで時間かけてられないから!」
「ほう…。それならなおさら倒されるわけにはいかないですね。」
三人は必死に戦いの前に立てていた作戦の通りに攻撃をしようと頑張っていた。
戦いは時間がかかっていた。その結果、最初の方は同等だった攻撃力もだんだん三人の方が強くなっていていた。そのため、だんだんと優劣がついてきている。二人は攻撃なんてできずに守っていたり、回避することが精いっぱいだった。
そんな中
「ごめんなさい…。最終決戦の舞台となる中心地にそろそろ移動しないと…。」
そう実花がこっそりと夢花と花楓に伝えた。その次の瞬間、二人はギアを一つ上げるかのように攻撃の威力を上げた。その様子にチーツェとディアーノは驚きながらも、二人からの攻撃を弾き、自分たちを守ることで精いっぱいだった。
「はあ、はあ…いい加減倒れてくれないかな!?」
「それは…無理なことですね…。」
そして、花楓と夢花がアイコンタクトをとったと思うと、大きな攻撃をしようと準備し始めた。
チーツェとディアーノは反撃しようとしていたが、夢花達には敵わなかった。そして、二人は夢花達の攻撃を真正面から受けてしまった。
「ボス………すみません。命令完了することができませんでした…。」
そう言い残してチーツェとディアーノは息を引き取った。
「なんか…。後味悪いね…。」
「うん…。」
そう。三人は今まで自分たちの攻撃によって相手を殺したことがなかった。そのため今回の戦いで初めて直接的に殺したことになってしまったのだ。
「とりあえず移動しましょう。最終決戦も近いですし。」
そう実花が言い、三人はこの世界の中心地に向かい移動し始めた。