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この世界の中心地へ向かう途中、実花は一人でずっと考えていた。その内容とは、カミサマから言われていた、補佐的立ち位置になるかどうかということだった。
“なんでカミサマは私に頼んだんですかね…。他にもいたと思うんですが…。”
このことをずっと頭の中で考えていたら、ゆっくりになっていた足がついに止まってしまったのです。
そんな実花の様子を見て、夢花と花楓がこう言った。
「ねえ、少し最終決戦まで時間あるから悩み聞こうか?」
「なんか重大なことみたいだしね。」
「いえ…。そこまでじゃないので大丈夫ですよ?」
夢花と花楓の問いかけに対してこう答えたが、夢花はなんだか納得がいってない様子だった。
「もー!とりあえず、カミサマに話聞いてもらったらいいじゃん!カミサマ―!?」
そういってカミサマを夢花は呼んだ。
『なにー?そろそろ最後の戦いって時に。』
そういいながらのんびりと出てきた。
「ごめんなさいカミサマ。なんか実花が悩んでるみたいだから、カミサマに話聞いてもらおうと思ってー。」
『そういうことねー。そしたら実花話聞くから、ちょっとこっち来てもらってもいい?』
そういってカミサマと実花は少し離れたところへ。
『そういえば、君が悩んでいることって、この前君にお願いしたこと?』
「は、はい…。」
『そしたら、そのことで何悩んでるの?』
「カミサマはこの間、私に頼むときにほかにも候補いるから大丈夫と言いましたけど、そうしたら、なんで私だったんですか?」
『そこの理由ね…。少し話長くなるけどいいかな?』
「大丈夫です。」
『そしたら話すね。君に何で頼んだかっていうと、例えば今回みたいに大きな事件が起こったとするでしょ?そうしたら、カミサマとかは、解決しなきゃいけないんだけど、ほかの世界のお使いをやっている人とかと協力しなきゃいけないんだ。そうなったとき、カミサマや、カミサマの補佐的立ち位置の人に申請を出して、許可をもらわなきゃいけないんだ。そうなったときに、いろいろと理由を言わなきゃいけなかったりするんだ。けど、君みたいに協力したことがある人が補佐的な立ち位置にいてくれたら、協力申請出しやすくなるでしょ?』
「は、はあ…。」
『それに、どのくらいの規模なのかとかもわかってくれたり、協力申請出すときにこれくらいで出そうってしっかり判断できるだろうからね。っても、これが大半の理由だけども、ほかの理由も少しだけ入っているんだ。その内容とは、きみさ、夢花達とせっかく仲良くなったから、今回終わってはい、さよならってのはさみしいなって思ったからなんだ。』
「ど、どういうことですか…。」
『これからさ、この世界のカミサマを僕がやるってことは話したじゃん?けど、あくまでメインでやるのはあっちの世界なんだ。そうすると、こっちの世界を補佐的な人にお願いして、やっていくことになるんだけど、君が夢花たちと会うことがなくなっちゃうんだ…。だけど、補佐的立場なら、時々会うことができるよなーって思ったからなんだ。まあ、勝手な僕のお節介にすぎないんだけどね。』
「そうですか…。答えにはなったかな?そしたら、この戦いが終わったら答えをー…」
「あ、補佐的なやつやります。」
『頂戴って…。えっ?早くない?』
「そうですか?カミサマが心配してくれてたりしたので…。」
『そうしたら、終わってからだけど、改めてよろしくね。』
そういったカミサマは夢花達の方へ歩き始めた。
「あー。おかえりー・」
「実花さん解決した?」
「はい。おかげさまで。ありがとうございました。」
「よし!そしたらこのまま中心地まで行くよー!」
そういって夢花は走り出し、その後ろに花楓、実花と続いていった。